↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
44/55

あたしと爆弾

夕です。

過去話は難しいですね!

と、ここまで話して紘斗が休憩というように息をついた。

「…お前ら。なんだその目は」

シリティアと紅葉がなんとも複雑な表情でこっちを見ていた。

「だってユーカが、…ねぇ?」

「うん、まさか夕花が…」

隣でにやっとした秋弥の腹には拳をぶちこんでおいた。

「お、落ち着け!全部事実じゃないかっ!」

涙目の秋弥と、違う意味で泣きたいあたし。

そんな中、非情にも紘斗の話が再開される。





今から何年前だっただろう。確か…3年くらい前だったか。

あたしの生活はふたつの爆弾によってガラリと変わってしまったのだ。


余計な関わりを持ったばかりに面倒事に巻き込まれるというのが嫌だった。女子のグループはそういう面倒事の宝庫だ。だから必要以上に関わりを持たないようにしていた。

真田と朝霧も例外ではない。

「黒井ー!!」

結局、あたしと班のメンバーは集合場所で合流を果たした。

昼食時間、ひとりで弁当を食べていると、ふたりが各々弁当を持って寄ってくる。

他の男子と食べればいいのに。

「お前なぁ、もっと協調性とかなんとかいうやつをだなあ…」

「そーだそーだ!」

はっきり言おう、うるさい。

あたしのうんざりした表情に気付いているのか、ふたりはピクニック用シートを広げ始めた。

…なんでそんなもの持ってるんだ、準備がいいな。あたしも地べたに座っているのに。

「黒井の弁当、意外に女子っぽいな」

意外で悪かったな。

「まあまあ、こっち来てシートに座れよ」

誰がそんな一面某アニメキャラのシートに座るか。

「紘斗ー、黒井がまた無視してくるー」

「だよなー。俺らがひとりで話す変人みたいになってるよなー」

こっちをちらちら見るな!

まったく!なんなんだ、こいつらは!!

「物好きなやつらだな」

ぽつりと漏らすと、「黒井から話しかけてきた!」と盛り上がる始末。

はやくこの場を離れようと、急いで弁当を食べきり立ち上がった。

「もうついてくるなよ。いいな?」

あたしは、そう言ったはずだったのに。

なぜだ!

なぜ行く先々にやつらがいる!嫌がらせなのか!


…そしてついに、一度もひとりになれることなく宿泊研修一日目が終わってしまったのだった。


グループ分けをしたとはいっても、さすがに寝るのは女子男子別々の大部屋だ。そこに各自布団、いや寝袋か?…を敷いて寝ろということらしい。

疲れた。とにかく早く寝てしまおう。

大人数でかたまって寝るやつらの邪魔にならないような端の方にさっさと布団を敷いてしまう。

そして早々に眠りについた。


朝、同じ大部屋の誰よりも早く起きて、気づいた。

「……ない」

枕元に置いておいたリュックサックが消えている。

着替えの体操服も洗面用具も全部あの中だ。

「ここまで低レベルなやつらとは…」

寝る前にはあった。リュックが勝手に歩いていなくなるとは思えない。

どうせなら、あたしより早く起きろ。

とにかく誰が起きる前に探しにいくか。大方、建物の中で先生に見つからないような所に押し込んでいるのだろう。

適当な隠し場所を思い浮かべながら部屋を出た。

が。

甘かった。

「外に隠したのか?」

思いつく場所を手当たり次第に調べたのに、リュックはついに出てこなかった。

早く見つけないと、先生にあやしがられる。そうなったら面倒だ。

起床時間まで後30分。

あたしは思いきって外へ駆け出した。

「…………」

あたしが寝てから実行に移したのなら…見回りもあるだろうし、そう遠くではない。

と、なると。

「…あった」

窓から外に投げるしかない。

あたしのリュックは窓の外に飛ばされ、少し急な斜面の途中で突き出した木にひっかかっていた。

リュックまで手は届きそうにない。

「さて、どうするか。…まあ、下りるしかないけど」

そろそろと足を片方ずつ引っかけるように下りていく。

何度かバランスを崩したが、リュックのところまではたどりつけた。

リュックを片方の肩にかけ、後は登るだけ。

「…………登る、だけ」

目の前の斜面、掴むところが、ない。

一瞬思考が停止した。

「やって、しまった…」

遠くで誰かが走っている音が聞こえた。

そろそろ起床時間だ。先生があたしの姿がないことに気づいたか。

呼べばすぐに来てもらえるだろう。

でも呼ぼうとは思わなかった。何があった?だとか、誰がやった?とか、何の解決にもならない質問をぶつけられるだけだ。

先生とはそういうもの。

「いた!黒井!」

上から声が降ってきて、複雑な思いで顔を上げる。

「すみませ…」

「ん?どした?」

すみませんでした。そう言いかけて、顔がひきつるのを感じた。

「朝霧…お前か…」

嬉しいやら悲しいやら。

「女子が黒井さんが消えたーって騒いでたから、紘斗と捜してた」

ん、と伸ばされた手を、あたしは掴むしかなかった。








結局…これは何が言いたかったのだろうか。

反省点がありすぎる。


そして夕花さん、いったい何時に起きたんだ。


次で番外編完結

秋雨さん!がんばれ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。