新しい依頼は……
遅くなってごめんなさい、秋雨です。
あー、気になる……。
気になる気になる気になる気になる…………。
「秋弥、そろそろ止まれ」
「だってよ、気になるしさ」
「俺も気になる。お前の変な動きが」
オレはさっきから部屋の中をうろうろしたりドアを開けたり閉めたりしている。
それのどこが変なんだ。
「変じゃねーし」
「…………はぁ」
ため息!?
「とりあえず、止まろうか」
「………………おう」
しぶしぶソファーに座る。
でもやっぱり落ち着かない。「よし、尾行しよう」
「ちょっと待て」
立ち上がったら間髪入れずに紘斗の手が伸びてきた。
「どこからその結論が出た」
「ここから!」
指差したのは頭。
「間違ってはないけどな、尾行はやめようか」
「何でだよ!思い立ったらすぐ行動、善は急げって言うだろ!?」
「そりゃそうだけど……」
うーん、と考え始める紘斗。
考えなくてもいいのに。
「秋弥、俺達が居なくなったらここには誰も居なくなる」
「………?まあ、そうだな」
「誰も居ないときに依頼人が来る。さあどうする?」
そりゃあ……。
「書き置きしとけば問題ない!」
「………あのなぁ、急ぎだったらどうするんだ」
「あ…………」
確かに……。
「………オレ、ここにいる」
「よし、よく言った」
どこか満足気な紘斗の顔。
まさかオレ、いいように丸められた?
「なあ紘斗……」
「「兄ちゃーん!!」」
オレの声に被るように子供の声が聞こえた。
あれ、あいつら泣いてね?
「兄ぢゃーん!!」
「早く出てきてよー!!」
やっぱ泣いてるし。
「秋弥、お客さんだ」
「おっし、行くぞっ」
ドアを開けて外に出る。
「「うあーん!!」」
「ぐふぅっ」
出た瞬間に子供達に突進された。
いや、本人達は抱きついたつもりだろうよ。
でもな、オレにとっては突進だ!
腹痛ぇ……。
「どうした?何があった?」
ちゃっかりオレの後ろに逃げてた紘斗が優しく聞く。
「で、出たぁ」
「何が?」
「おっ、おばっ」
「おばぁ?」
おばさんでも出てきたのか?
「おばっ、お化けぇ!」
「「お化けぇ?」」
この世界にもお化けがいるのか。
「うーん……」
どう対処するか困っている紘斗。
「見間違いとかじゃないか?」
「おれらちゃんと見た!」
「僕もっ!」
わたしもぼくもと手が上がってく。
「こんなに目撃者がいるんだし、探してみれば? 」
嘘ついてなさそうだし。
「そうだな。どんなのだった?」
「白かった!」
「あとね、大きかったの!」
「どのくらいの大きさ?」
「このくらーい!」
女の子が手を使って表そうとしている。
「もっと大きかった!」
と、こんな感じて情報を得た。
さて、まとめてみよう。
「お前らが見たお化けは白くてものすごくデカイ。間違いないな?」
「うんっ!」
「早く見つけてよ?」
「任せとけ!」
お化け探しの始まりだ!
次は紅さん!
よろしく!