万事屋、活動開始。
紅です。
緊張しました。
――次の日。
「えと……これ、つっこむべきなのかな……。」
私は紘斗と秋弥の格好を見て、苦笑いをする。
「……紅葉もそう思うか?
なぁ、それじゃあ目立つだけだぞ。」
夕香はそう言って、呆れたようにため息をついた。
すると秋弥はキッと私たちを見てこう言った。
「何言ってんだ!
シリティアの一大事だぞ!?
同じ女なら分かるだろ!」
「分かるよ。分かるけど……」
「その格好は無いだろ……。」
2人は、今から不良グループのアジトに乗り込むんですか?
と思わせるような格好をしていた。
とりあえず、目立つ。
――これじゃ逆効果なんじゃ……。
――やっつける前に逃げられちゃうよ!
そう思った私は、2人にこう言った。
「その重装備は怪しいよ……。
せめて木の棒を1本減らして!」
「いやいや……いざという時、臨機応変に対応できないだろ?」
紘斗が、少しもっともらしいことを言う。
――木の棒を1本減らしても、臨機応変に対応できると思うんだけど……。
納得がいかない私の肩に夕香はポン、と手を置く。
「もう……諦めよう。」
「うん、そのほうがいいみたいだね……。」
そして私たちは、一度息を吸って、盛大なため息をついた。
――シリティアが気の毒だなぁ……。
そう思った時、私の隣に人が来た。
「……シリティア!」
「なんか……ボディーガードしてくれるような感じね……
って、別に守ってくれて嬉しいとか思ってないんだからねっ!!」
「はいはい、嬉しいんだな。」
夕香はクスリ、と笑いながら、そう言った。
「……からかわないでっ!!嬉しくもなんともないわよ!!」
そう言って、そっぽを向くシリティア。
なんだかストーカーされる理由が分かった気がした。
だから、
「シリティアって……かわいいね。」
と思わず言ってしまった。
そっぽを向いているから、顔はよく見えなかったけど、
きっと顔を赤くしているんだろう。
実際、耳が真っ赤だ。
そんなシリティアを見て、4人で笑った。
その時。
ガサッ……。
私は小声で、こう言った。
「……聞こえた?」
「あぁ。」
「今のは多分、足音だな。」
「シリティア、どうなんだ?
あたしはストーカーだと思うんだか……。」
夕香がそう聞くと、シリティアは身体中を震わせ、こう答えた。
「いつもと同じ視線を感じる……。
もう、イヤ……!」
こんなシリティアを見るのは初めてで、私は動揺した。
他の3人もそうみたいだ。
「くそっ……!
ストーカーの野郎、許さねぇ……!」
秋弥はこぶしを震わせ、そう言った。
「とりあえず、家に帰るぞ。このままじゃシリティアが……。」
夕香の提案通り、私たちは家に帰った。
――私たちがシリティアを救わないと……!
緋絽さん、よろしくです!