異世界ってなんですか?
初めまして。
紅です。
今回から仲間入りです!!
時は少しさかのぼり――
「はぁ……。」
私、園田 紅葉は、いたって普通の女子高生だ。
普通に勉強は出来るし、普通に部活にも入ってる。
毎日が充実している…はずなのに。
この喪失感はなんなのだろう。
――疲れてるのかな。放課後だしね。
そう思った時に、声を掛けられた。
「何かお悩みですか?」
声がしたほうに振り向くと、そこには真っ黒なマントを羽織っている人がいた。
顔が隠れていて、よく見えない。
いかにも、な占い師の格好をしている。
――怪しい。
私の脳内は一瞬で「警戒」という単語で埋め尽くされる。
そんな私の様子を察したのか、
マントの人は柔らかい口調でこう言った。「私は怪しい者ではございません。
…と言っても信じられませんよね。
とりあえずこの手鏡を持ち歩いて下さい。」
「……どうして?」
手渡された手鏡は、とても綺麗な装飾がされている。
それでいて、どこか妖しげな雰囲気をまとっていた。
「あなたに不幸の相が出ています。
この手鏡を持ち歩けば、不幸を回避することができる……。」
馬鹿馬鹿しい。
人々はそう思うかもしれない。
私もそう思っていた…この時までは。
「あなたは今、訳もなく喪失感にとらわれていませんか?」
「……っ!!」
しかしその考えは一瞬で崩れることになる。
「…不幸なことが起こる前兆です。
くれぐれもお気をつけて……。」
「………。」
私は手鏡を持つ手に力を込める。
――所詮占いだもん。
――嘘…だよね?
そう無理矢理、信じ込みながら……。
「それにしても…お金払わなくてよかったのかな?」
占い師と別れ、今はまじまじと手鏡を凝視していた。
――綺麗だとは思うけど…本当に効果があるのかな?
そんな疑問が頭によぎったが、すぐにそれを打ち払った。
――所詮、占い。
そしてまた、同じことを思い込む。
そんなことなら、この手鏡を割ってしまえばいいのかもしれない。
でもなぜか、私にはとても出来なかった。
――不幸がどうとか言ってたけど…
――もう気にしないでおこう。
――所詮、占いなんだから。…なのに、どうして?
どうしてこんなことになったのだろう。
「お嬢ちゃん、危ないっ!!」
――え?
頭の上から叫び声が聞こえると同時に、
工事現場独特の騒音が耳を貫く。
私は他人事のように、上を見上げると…
目の前には4、5本の鉄骨が迫っていた。
私はその場に立ち尽くしたまま――…
派手な音。
重なった鉄骨。
「お嬢ちゃんは…!?」
「え、消えた……!?」
子供の声が聞こえる。
――あぁ、これは天使の声かな。
――私……死んじゃったのかな。
そう思いながら、私はそっとまぶたを開いた。
「あ、目を覚ましたみたい。」
「お姉ちゃん、大丈夫?」
子供たちが、私に声を掛けている。
でも子供たちの姿は、天使などでは無く……
一言で言えば、カラフル。
目の前には原色で溢れていた。
そのせいか、目がチカチカする。
「うん……大丈夫だよ。」
私は子供たちにそう言って、微笑んだ。
「よかったぁ。」
子供たちは無邪気に笑う。笑う。
そして一人の子供が、こう言った。
「お姉ちゃんの黒髪…ヒロトたちみたいだね!」
――誰?
「お姉ちゃん、どこから来たの?」
「日本ってところからだよ。」
「わぁ!!ヒロトたちと同じだぁ!!」
――ヒロトって人たち、もしかしたら……
――私と同じ状況の人たち?
「ねぇ、その人たち、どこにいるの?」
私はほんの少しの期待を込めて、
子供たちにそう聞いた。
「んっとね、向こうでチャンバラしてる!」
どうやらヒロトという人物たちは、この近くにいるらしい。
――その人たちは……
――どうして、ここに来てしまったのだろう。
そんなことを考えていると、4人分の影が地面に映し出されていた。
2人の男の子と、2人の女の子……1人の女の子は、
3人と違って、赤髪だったのが印象的だった。
私は口を開く。
「ここ、どこ?」
「いや、誰?」
質問したのに、質問を返される。
そこにはあえて突っ込まず、自分の名前を名乗った。
「私は……園田 紅葉。
……私の質問にも答えて。
ここはどこなの?」
すると黒髪のほうの女の子が、こう答えた。
「一言で言えば……異世界だ。」
――異世界?
この人は、本気でそれを言っているのだろうか。
「はい?」
「いや、本当だよ。」
本当だと言われても……こんな漫画みたいな状況、誰が信じるの!?
駄文スマソです…
次は緋絽さん、よろしくです。