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よん


「ちわー」

「お邪魔します…」

 恐る恐る入るさや。

「いらっしゃ〜い」

 中から返事が返ってきた。

 少し奥へ行くと、白衣を着た裕也が笑顔で立っている。

「じゃあついて来て」

 四人はその家の地下室の前に着いた。

 そこには大きくて頑丈そうな扉があった。その扉を先頭を歩いていた裕也が開けた。

「龍ちゃーんっ」

 突然、小学校低学年くらいの男の子が走ってきて龍哉に飛びついた。

「いい子にしてたか?」

「うんっ。チビとあそんでた」

「なんだ、來香居ただろ。遊んでくれなかったのか?」

「うん。ちびがうつるからいやだって」

「ぷはっ、なんだそれ。あいつだって小っせぇのにな」

 龍哉が笑いながら言う。

(?龍哉さんの質問の仕方、何だかあの子のお父さんみたい)

 さやは思った。

「あの…」

 さやが呟くと、

「あ、こいつは翔。一応俺の息子だ」

 と、龍哉が言った。

「息…。えっ!?」

 驚いた。どうやら本当に親子であったようだ。まぁ、居てもおかしくはないだろうけれど…。

「なんだよ。何か変か?」

「あ、別に変だなんて」

「ま、いいや。翔、挨拶して」

「うん。…はじめまして、さやちゃん。…ほら、チビもあいさつして」

(この子もわたしの名前知ってるのか)

 翔が言うと彼よりもさらに小さいぬいぐるみのようなものが歩いて来て言った。

「ニョニョニョニョニョ」

「"よろしくね"だって」

「あ、よろしくね〜」

「このこはね、チビ。かわいいでしょ?」

「うんっ、かわいいね〜」

 その時、嵐が呼んだ。

「さやちゃん、ちょっとこっち来てー」

「あ、はい」

 さやは返事をして翔とチビも一緒に嵐たちの近くへ行った。

 そこには龍哉と嵐と裕也以外にもう一人さやの知らない人物が居た。

「初めまして」

 その人が声をかけてきた。かっこいいハスキーボイスだ。

「あ、初めまして。さやです」

「私は來香。よろしくね」

「あの…」

 さやが口ごもると、來香が言った。

「あっもしかして私のこと男だと思った?」

「え?あ、いや…」

「あはは。ねぇ龍哉ぁまた間違われちゃった」

 來香さんは笑って龍哉に話し掛ける。

「お前がそんなカッコしてるからだろ?」

 龍哉が言う。

「いいの。こっちの方が趣味に合ってるから」

「お二人、仲いいんですね」

「実はね、私が女だって当てたの龍哉が最初なんだ」

「そうなんですか」

「あ、そこもういい?」

 嵐が言った。

「みんな集まってから順番さやちゃんの事紹介しようと思ってたけど何かもういいみたいだからとりあえず全体的な事説明するね」

「はい。お願いします」

「えーと、まずオレたちが元居た場所は白の国ってトコで、緑の街の警護をしてた。あ、白の国にはね、紅の街、黄土の街、緑の街、碧の街それから白の街っていうトコがあって街毎に警護をする隊があるんだ。隊に属する人はみんな能力を持っていて、白の国と対立する黒の国との戦いに参戦したり、街の治安維持をしてる。あ、ここまでいい?」

「あ、はい…何となく」

「で、さやちゃんはオレたちのこの緑の街の隊に入ってもらいます」

「分かりました」

「じゃ、とりあえず着替えてもらっていい?ここで服選んで」

 と、少し大きなドアの前で嵐が言った。ドアを開けながら

「まぁ基本的に、インナーは黒、上着は緑系が一番だね。他の街の人もそれぞれの街の名前にちなんだ色の服を着てるからね。って言っても自由っちゃあ自由だから。どこかに緑系をいれればオッケーだよ?」

 と言った。

「了解です」

 と言ってさやは中へ入って行った。


「あの〜」

 着替え終えてさやは部屋を出た。

「あ、終わったみたいだね。んじゃ、これから向こうの世界に行くよ」

「はい。…でもどうやってですか?」

「あの穴の中に飛び込むんだよ」

「穴…」

 部屋の中央に開いた穴を見るさや。

「あ、あれですか」

「そうそう。オレが最初に行くから着いてきてね」

「はいっ。分かりました」

 そして皆が飛び込んだ後でさやも飛び込んだ。



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