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最初に考えたのは、ここって守備隊の建物なのかな、だ。警察署に相応するような場所なのかも?と。建物の立派な外観的にはありそうだし。
まあすぐにやっぱ違うわとなったわけですが。
入り口を守る制服姿の警備の人たちの存在こそそれっぽいけど、周辺に目立つのは冒険者風(とわたしが勝手に認定しているタイプの格好)の人々のほうで、雰囲気がお役所って感じじゃないんだよね、なんとなく。
あとこの守備隊制服の人たち、出入り口警備の衛兵のような役割の人だと思うんだけど、騎士団の鷲獅子集団が移動しますよーの鐘の音を聞いて、距離としてはほんのわずかとはいえ出入り口を離れて歩廊から広場側まで出ていた人がいたり、入り口横から移動はしていないものの近くにいる制服着用ではない、すなわち民間人な人とお喋りしている人がいたりして、態度がだいぶ緩い。
これは完全にわたしのイメージなんだけど、本部なり出張所なり自分たちの拠点で衛兵やってる人なら、もっと真面目ーで堅っ苦し~い感じになるんじゃないの、みたいな。非常事態を報せる鐘ならいざ知らず、鳴らし方が予め定められているらしい騎士団移動の合図の鐘ごときではいちいち浮つくことなく、黙って出入り口の番人を続けるものなんじゃないの、なんて。ええ、ほんとに勝手な偏見同然の思い込みですけど。
建物前面に複数ある入り口の中で、わたしたちが通ったのは真ん中のものから一つ隣にずれた入り口だった。特に選んだとかじゃなく、単に最短距離で建物に入るならそこが一番近いからというだけっぽかった。というのも、どこから中に入ろうとあまり違いがないので。どうやら建物の一階全体が一繋がりのだだっ広い空間で、それを柱や棚や衝立などでふわっと区切ってるだけのようなのだ。なので、どの入り口から入ろうとそこは同じ部屋ということになる。なにがなんでも真ん中から入りたいの、みたいなこだわりがあるのでなければ、どこから入ろうが同じなわけです。
そんなわけで真ん中ではなくその隣というちょっと中途半端なところから入った先でお出迎えしてくれたのは、床に描かれたバカでかい世界地図だった。ここでもか。好きだな床に地図。流行っているのか、もしやあちこちの建物で取り入れられている定番だったりするのか。
真ん中の入り口から入るとちょうど真正面にででんと広がる世界地図って感じになるようです。わたしたちは一つずれたところから入っているので、真っ直ぐ目の前は地図の端のほう、少し顔を左方向に向けると地図の全体像が視界に収まるような位置である。
地図を描くのに使われているのは一辺が五センチもないようなサイズのタイルで、四角形だけでなく三角、五角に丸いものも組み合わせ、細部は少し潰れ気味のドット絵のような世界地図になっていた。
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