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一団の先頭が現れてから濃紺の旗を掲げる最後尾が通り過ぎるまでのけっこうな間、なんと鐘の音はずーっと鳴り続けである。かんかんかんかんかんで一セットをひたすら繰り返し。ちょっと踏切の警報音を思い出して懐かしくなってしまった。音自体は踏切の電子音とはそんなに似てないけど。一団が上空を通過し終えた方面から順に鐘を鳴らすのをやめるみたいで、当初は全方向から聞こえていた音が、徐々に一方向からのものになっていく。
これ、上空を部隊が通る度に毎回やっているのだろうか。夜間働いて朝から就寝する生活リズムで寝入り端に鐘の音で起こされた人絶対いるでしょー。周囲の人たちの反応を見る限り、今日このタイミングで大部隊が移動しますよーって知ってる感じの人はいなかったから(※除くオーリ君)、完全に不意打ちで朝九時台に鐘の音連打攻撃だもん。せっかく空飛べて自由度高いんだから、街中を通過するより大きく迂回してなにもないところを通過することもできそうに思うんだけど、アピール目的のパレードみたいなものだったりするのかな。
ちなみに、最後に通過した濃紺の旗がファンデルゼの騎士団の旗だそうです。近くにいた誰かが言ってました。じゃあ消去法で途中にいた青と白の旗は連立王国ってところの騎士団ということだろうか。つまり二国の騎士団が行動を共にしているということに? なんで?
昨日も今日もわからないことだらけのわたしをよそに、鷲獅子の集団を見送った広場はあっさり元の日常に戻っていく。オーリ君とジルドナート青年たちも同様で、太い柱とアーチの並ぶ歩廊に向かい、その奥にある建物の入り口に進んだ。リオニルは抱えられた小荷物状態から解放されて肩乗りドラゴンに復帰している。
件の建物はかなり大きい。広場の一辺の長さがそのまま間口の広さだ。広場に面した入り口は間隔を空けて複数あり、どれも大きな扉が解放されていた。そして扉のそばには必ず制服姿の人が立っている。着ているものはダークグレーでもダークグリーングレーでもない、やや青みのある灰色の守備隊制服。
うわー、なんか久しぶりに見た感じがする、守備隊制服の人。守備隊の四人組のお兄さんたちと別れてからまだ二十四時間経ってないけど。
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