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神様 is なに。
なにというか、この世界における神様ってどういう存在なのだろうか。全知全能の創世神とか唯一神タイプの神様じゃないような気はなんとなくしている。
ニフニは馬でザレという土地の千年以上前の偉人で神様で……? 馬って偉人になれるの? 偉人と称するからには人間である必要なくない???
「ま、ザレは昔っから変わらずなーんもないとこだからなー、こーんな人も少ないド田舎から小神にまで至る人間が出ることはもう二度とないだろうってんで、地元じゃあまあなにかっちゃあニフニ様ニフニ様ってやってたわけだけどさー」
ひらひらと片手を無意味に動かしながら語るジルドナート青年、の向こうから同行者の一人が「は? ザレがド田舎? 人少ない? もしや真の田舎ってもんをご存じでない??」と据わった目で突っ込みを入れてくる。
「お前の故郷はありゃ開拓断念で引き揚げ命令出てるだろうがよ。田舎かどうか論じる段階まで来てねえよ」と、別の一人。
まあ、どこから都会でどこから田舎と判じるかは、その人の経験や生活において重視するポイントに大いに左右されるもんだからねー。最寄りのバス停や駅までの移動にも自転車か自動車が欠かせない、診療所もちょっとしたお店もないような土地出身の人だと、地元よりだいぶ条件がマシな土地に対しての田舎呼ばわりは複雑に感じるだろう、みたいな。持病の都合で定期的に特定の診療科にかかる必要がある人なら、必要な処置を受けられる病院までの距離で田舎かどうかの線引きがされるかも、とか。人によって基準が違ってくるしこのへん難しい問題だよねー、うんうん。首都圏以外ことごとくがなにもない田舎の勢いで無闇矢鱈と地方を見下すような人もいるしさー。
……って、話が逸れてる。ザレが田舎かそうでないかはわたしには関係ない情報なのですよ、当事者には重要かもだけど。
そんなことより銅版迷宮とやらの詳細が聞きたいです、わたし。それかニフニについて。この世界の神様って人間からなることができる存在なのですか。偉人と呼ばれるレベルの功績があるので人々に奉られて神様と呼ばれるようになりました、的な? でもオーリ君によればついさっき降りてきて去っていったんだよね、ニフニ。そしてジルドナート青年の言いようだと現場に立ち会っていれば普通に姿を見ることができそうな……? つまり想像上のとかじゃなくてめちゃくちゃ存在していますかニフニ。降りたって要するにこちらに立ち寄りましたって意味ですか。いや立ち寄りったってここまでの移動手段はなに。それともまさか天国?だか神様の世界?だかからそのまんまの意味で降りてきましたとかそういうあれ? そして元が人間なら馬はどこから……?
「にゃーん」
すみませんオーリ君ちょっと解説プリーズ! そんな切実な願いを込めて呼びかけたところで、相変わらず欠片ほどにも伝わる気配なし。何人も人がいれば一人くらいは動物の思いがわかる特殊能力持ちがいてもよくないですか? 世の中そう都合よくはいきませんか、そうですか。
「にゃあ」
ワンチャンご都合能力持ちな可能性あるのでは?と密かに疑っている白い爬虫類ことリオニルは、わたしの鳴き声にくわっと欠伸で返してきました。猫の気持ちを解する様子はないし、人間たちの会話にも興味なさげである。それにしてもこいつ、やっぱりお城の敷地から外に出るとおとなしめだ。
「だいたいさー、ニフニが出るの、だいたいここじゃん。ていうか迷宮に手を加える以外でほぼ出てこないじゃん。ザレに現れたなんて話、全然ないじゃん。それでザレ所縁、ザレの小神様でございって言われてもなー」
話しながら、一行プラスオーリ君は広い通りを進んでいる。
あの、皆さんさっきのオーリ君のニフニが降りた、迷宮の構成が云々っていうあれだけでお仕事ストップの理由理解できちゃったんです? 特に食い下がるでもなく納得してる様子だから、そういうことだよね。ここの人たちにとっては常識ってことですか。よくある作業中断理由だったりしますか?
一行とオーリ君との間で行き先の相談は皆無だったけど、推定冒険者一行の当初予定のまま銅版迷宮というところに向かってるんですかね、これは。
やがて前方に人で賑わう広場が見えてくる。
この街では何本かの道が交わるところが広場になっていることが多いみたいだ。その広さはまちまちだけど、傾向としてはわかりやすく、細い通りばかりが集まる広場は狭いことが多くて、幅のある通りの途中にある広場は広め。
その広場はわたしがこれまで見てきた中ではかなり広めの部類だった。
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