86
「え、なんで?」「俺らの知らないうちに動員でもかかってました?」と疑問を呈する推定冒険者たちを前に、わたしは銅版迷宮ってなんぞやと首を傾げていた。
迷宮はわかるよ、ってわたしが想像しているアニメや小説や漫画やゲーム世界的なダンジョンかどうかはわからないけど。たしかこの世界には神造迷宮と呼ばれる迷宮があるということなので、銅版迷宮というのはそれの一種と思えばよろしいですか? それで、なぜに銅版? 銅版ってなんだっけ。
立ち話もなんなのでとりあえず移動しましょうと、推定冒険者一行にオーリ君も加わりどこかに向かい歩きだす。
歩きながら、オーリ君はクルセルさん一行に説明を始めた。
「先ほど、四、五十分ほど前になるが、ニフニが降りたので」
ニフニ、ってなんだっけ。えーと、えーと、昨日その名前は聞いた。魔石の出所がどうこうな話に絡んで、ニフニとかグィノソフィアとか。
「迷宮の構成が変化している可能性がある。おそらく今日明日はその調査で終わると思う」
「え、マジで?」
とジルドナート青年。
「いますぐ行ったら馬の神様見れる?」
え、ニフニって神様で馬なの?
「……ニフニはもう去っているし、馬扱いはどうかと思う」
「あ、そ。なんだ残念。つーか馬でよくね? 実際目撃例のほとんど馬じゃん〈馳せるもの〉ニフニ」
「それはそうなんだが……」
ものすっごく微妙な顔をするオーリ君。
「あのさーザレ出身のジル君よ、ニフニってお前の故郷の偉人だろうよ、もちっと敬意を払え、敬意を」
一行の一人がジルドナート青年の横腹を肘で小突きながら言う。
ザレという場所の偉人なんですかニフニ。神様で馬なのに???
「あー、ザレゆかりの、ってガキの頃にはさんざ聞かされはしたけどさー、千年以上前の話なんか言われてもなあ。ぶっちゃけぴんとこねえわ。ずっとザレにとどまってる神様ならわかるけどよ」
※書いている人間は絵文字、とりわけ黄色のフェイスマーク全般があまり好きではないため、リアクション機能の使用は控えていただけると助かります。




