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愛されキャットはじめます in 異世界  作者:
 

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 五分前のが音一回で、二連続のこれが九時の鐘なのかー。なるほど、覚えとこう。

 ところで、ジルドナート青年やクルセル゠エル・ホラウさんたちのご一行、九時になにか予定があって急いでたんじゃなかったんです? オーリ君が呼び止めちゃったせいで遅刻にならない? 大丈夫?

 そのクルセルさんは、わたわたとキョドった動きをしている。なんかこう、あ、やべー、頭下げるタイミング逃しちゃったしちゃんとした一礼の動作とかわかんねー、みたいな心の声が聞こえてきそうな感じが。事前の練習ゼロで重要な面接に挑んでしまった人の哀れな姿っぽい様子というか。

「クルセル、君たちはこれから銅版迷宮に向かう予定だったのだろうか」

「は……? え……ええ、ああはい、そうです、銅版迷宮です」

「俺らここ最近は五十一枚目の内部調査みたいなことやってんだわ」と横から口を挟んできたのはジルドナート青年だ。「ちなみに銅版五十枚目の大まかな地図作ったの俺ら。つーてもここの五人だけじゃなくて他とも組んでる仕事だけどさ。そっちが終わったんで同じ面子でそのまま次って感じでずーっと銅版迷宮ばっか通ってるわけ」

「その内部調査は、もうかなり進んでいたのか?」

「まあ……そこそこ? いや、でもどうかなーあれ、半分はいったよな?」

「たぶん……?」

 ジルドナート青年も彼から話を振られた人も進行度についてはイマイチ自信が持てないらしく、首を傾げ傾げ話す。

 そんな彼らをオーリ君の肩の上から眺め、わたしは一人納得していた。

 彼らを見てなんか変わった格好の人たちって思ったけど、オーリ君との会話で出てきた迷宮って単語を聞いてぴーんときました。

 迷宮、すなわちダンジョン。これとセットになるのは冒険者ってやつじゃない!?

 そうだよ、剣と魔法のファンタジー世界にはお馴染みのあれだよ。フィクションのファンタジー世界でお馴染みだからってわたしの直面している現実のファンタジーでもそうである保証はぶっちゃけなかったわけだけど、どうやらこの世界にも冒険者的な人々がちゃんと存在していたようです。

 その推定冒険者な彼らに、オーリ君は「残念だが」と告げた。

「その仕事は中断となる可能性が高いと思う。少なくとも今日は進められないだろう」


※書いている人間は絵文字、とりわけ黄色のフェイスマーク全般があまり好きではないため、リアクション機能の使用は控えていただけると助かります。

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