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「おはよう、オーリ様。こんな時間に出歩いてるのけっこう珍しくないか」
「そうでもないと思うが……。そちらは君の同業か?」
「そ。いまの仕事で組んでる仲間」
ジルドナート青年、ここまで見てきた中でぶっちぎりにオーリ君に対する口調がラフな人だ。お城のメイドさんたちや昨日のラシェト卿など、慣れているがゆえの気安さみたいなのをそこはかとなーく感じる人はいたけど、そういうレベルではなく言葉がくだけまくっている。
そしてジルドナート青年の同行者はというと、揃って引きつった顔で突っ立っている。最初、この人たちオーリ君のお友達なのかなーと思ったんだけど、どうやらジルドナート青年だけがオーリ君と顔見知りかつそれなりに親しい人で、お仲間さんはそうではないようだ。
ジルドナート青年を含む二十歳前後くらいの若者が四人に、それよりは少し上の二十代半ばほどに見える人が一人という集団は、なんだかちょっと変わった格好をしていた。長袖のシャツの上からベストと呼ぶにはだいぶゴツい感じの革製の袖無しを身に着けてさらに分厚いマント、足を覆うブーツもあちこち金属で補強した頑丈そうなもので、全員が剣を帯びていて、彼らの何人かは丸い小型の盾らしきものも所持している。
あのね、ちゃんとしたカレンダーは確認してないけど、いまってたぶん初夏なんですよ。オーリ君も殿下もふっつーに長袖衣装だし、警備の人やラシェト卿たちのような制服組もメイドさんたちも皆さん長袖だけど、半袖で快適に過ごせる季節なんです。長袖なだけならまだしも、明らかに分厚くて重そうなマントとかお呼びじゃないはずなんだよ、この外気温では。
あと、ジルドナート青年のお仕事仲間ってことだけど、これってどういう職業の方々ですか? わたしはちょっと考え込んでしまった。帯剣してるけど制服着用じゃないから民間人だよね?
職業不明の方たちは、背後からジルドナート青年をつついたり服を引っ張ったりとなんかごちゃごちゃしている。「言葉遣い!」「態度、態度」と小声で――といってもこの距離ではしっかり聞こえる大きさで指摘しているあたり、ジルドナート青年のオーリ君に対する口調は、ここの一般常識的にはアウト寄りっぽいです。
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