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愛されキャットはじめます in 異世界  作者:
 

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 厨房の一角、高い天井の一部が切り取られたように開いているところがある。

 上からはロープが下がっていて、その先は平たくて大きな木の箱、というかほぼトレーでは?ってくらい高さがない。

 紺色地に小花柄ワンピースのメイドさん、昨日は見なかった顔の人が、天井の穴に向かって声を上げた。

「ねえ、そちらにベオラード・オーリ様いらっしゃるかしら」

 あれ?

 天井の開口部の向こうからの返答の声はよく聞こえなかったけど、おそらく肯定が返ってきたらしい。

「じゃあ、リオニルと猫ちゃんの食事はこちらで出しておきますって伝えてちょうだい」

 あれれ?

 オーリ君、いま二階のほうにいるの? そしてそして、もしかしてリオニルにくっついてうろちょろせずにオーリ君の部屋で待ってたらご飯持ってきてもらえたのでは。

 当たり前の顔して厨房の隅っこ、メイドさんたちが休憩時に使っていたテーブルの置かれたスペースに居座っているリオニルを、じとーっと半目で見やる。別にいいけど。リオニルとわたしと別々の場所で食事もらうより、二匹で一箇所にまとまってたほうが手間もかからないかもだし。そもそもこいつの一片の迷いも感じられない行動からして、毎日厨房に突撃して食べ物もらってそうだし。

 天井に開いた穴は、料理を載せた木箱を通すためのものだった。ちゃんと盛りつけまでしたお皿を木箱の中に並べて覆いをして、壁際に下がっている紐を引っ張る。するとどこかでちりんちりんと鈴の音が鳴り、木箱が引き上げられて二階へ、という、要するに料理を運ぶための人力昇降機。

 木箱に載せられた料理はどれも綺麗な絵柄の入ったたぶん磁器の器や、ガラスの小皿などに盛りつけられている。オーリ君の部屋に置いてあったわたし用の水皿は素朴な柄と絵のついた陶器で、さっき食堂で見た人たちの食器は柄なしの陶器、大皿は木製だった。

 うん、あれだ、使う食器にめっちゃ格差が出てるやつ。

 綺麗な絵入りの食器は昨晩も見ました、殿下とオーリ君の食卓で。晩御飯のときはわたしとリオニルも食堂で一緒に食べたんだよね。

 食堂って言ってもさっき通ってきた食堂じゃなくて、二階にある、明らかにお城のご主人様用食堂のほうである。

 そのときは殿下とオーリ君、同じテーブルについて同じもの食べてはいたけれど(なお、わたしは床だった。まあしょうがない、猫なので)、オーリ君は給仕役をしながらだった。普通はメイドさんとかフットマンみたいな人が控えているもんじゃないの? 人手不足だったりします?って思ったりしたのはここだけの秘密。

 それにしても、と人力昇降機で上階に運ばれる料理を見ながら思う。

 ここ、本当に天井が高い。目算四メートル以上は絶対ある。その高さを人の手で上げられていく荷物。

 こういうの、魔法でどうにかできたりしないの? 完全人力じゃなくて魔力で動くエレベーターとかさー、そんな便利なやつはないんですか。

 ないのかなあ。あったら導入してるよねえ。それとも、あるにはあるけどコスト高パターンなのか、あるいは導入で劇的になにかが変わるほどの性能はまだないみたいなケースかなあ。

 ……なんて勝手に想像を巡らせてみる。考えるだけならわたしの自由だしー。


※書いている人間は絵文字、とりわけ黄色のフェイスマーク全般があまり好きではないため、リアクション機能の使用は控えていただけると助かります。

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