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いまの時間帯は警備(たぶん)の人たちの朝食タイムらしい。オーリ君の部屋を出る前にちらっと確認した置き時計の示す時刻は七時半ちょっと前だった。この人たち始業は何時くらいになるんでしょうね。
厨房から有志が料理の盛られた大皿を運んできてはテーブルの空いているスペースに置き、あとは各々好き勝手に自分で取り分けるという大雑把なセルフサービス方式。パンや大鍋のスープがなくなりそうになれば、誰かがが率先して厨房に追加を取りに行く。
席についているのは十数人ほど。ただ、わたしが大の男たちの旺盛な食欲にどん引きしながら眺めている間にも食べ終えて席を立つ人、新たにやってくる人が途切れることはなかったので、総人数は倍かそれ以上になるかもしれない。
なんとなしに目を向けた先、数人が並んでいるテーブルになんだか違和感が、と思ってよくよく見れば、原因は彼らの着ている制服だった。
ぱっと見は全員共通ダークグレー、と思わせておいて、実はちょこっとだけ上着の形とダークグレーの色味に違いがある二種類の制服が入り交じっているのだ。
昨日会った通用門前の立ち番の人やラシェト卿とお付きの人A、Bさん、彼らの制服をスタンダードダークグレーとすると、もう一種のほうは若干、微妙に、少ーしだけ緑色みがあるダークグリーングレーな感じ。そして上着の襟部分は明確にデザインが異なっている。
まあぶっちゃけ色の違いはわかりづらいため、流し見だと食堂内にいるのは全員同じ服の集団にも見えてしまう。なにこの罠。いや別に彼らも猫を引っかけるために間違い探しっぽい制服着用しているわけじゃないと思うけど。そもそも部外者のわたしが勝手に惑わされているだけとも言う。
カロル市出身の彼を含むグループは全員ダークグレー制服着用だったけど、普通に二種類の制服が混在しているテーブルも見受けられる。制服が違うということは、すなわち所属が違うということ――ってわけでもなかったりする? 単に所属は違っても隔意なく仲がよろしいだけだったり?
ところで……オーリ君、いませんね。
リオニルにくっついていけばオーリ君のいるところに向かうかなーと思ってたら、あの白い爬虫類ここまでまっしぐらだったんだよね。
オーリ君はいないし、気づいたら食堂内からリオニルいなくなってるし。さっきまで近くにいてそばのテーブルのお兄さんにお肉の切れ端恵んでもらってませんでしたか白ちま竜めどこに消えた。
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