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直に接触するのは非推奨な一方で、布に包まれた状態のものなら、わたしが触れようが上に乗っかろうがオーリ君的には問題はないらしいです。個包装されているのがたくさん入ってる箱の中に、つまりは魔石の上に腹ばいになっても追い払われませんでした。
なお、うわ邪魔だな、って顔はされた模様。
オーリ君や、飼い猫という生き物は人間の邪魔をする習性を持つんですよ。さては君、知らなかったな?
それにしてもオーリ君、表情筋はあまり大きく動かないタイプのようだけど目を見ればまあまあわかりやすい。
素手で触ると問題あるけど布一枚あれば大丈夫、という単純な話とも少し違うらしくて、もしかしたらだけど、魔石を包んでいる布になにか理由がありそうな感じがする。というのも、個包装に使用されている布、色は様々だけど共通点として、なにかの紋章のような模様が描かれているのだ。
紋章の意匠は複数種類が混在しているけれど、その中にオーリ君がいま現在せっせと内職している金属板の完成品に浮かぶものとまったく同じに見えるのがあった。
つまりこの布も魔法案件、なんならオーリ君製作の可能性すらあるってことにならない?
単純な推測だけど、いい線いってると思う。まあわたしが勝手に思ってるだけだろうと言われればそれはそうなんだけど。
オーリ君が一つ一つ箱から取り出しては包んでいる布を剥がしてデスクの上に置いている魔石は、だいたい完成品の金属板が四、五枚出来上がる毎にキレイさっぱり消滅している。
消滅である、そのまま文字通りの。
オーリ君がわたしには理解できないなにかしらの作業を行って金属板に紋様を浮かび上がらせるとそれだけ魔石が溶けるように小さくなっていき、最後は包んでいた布だけを残して影も形もなくなっておしまい、だ。
これってつまり、魔石を構成している魔力的なエネルギーをなにかしらやって金属板のほうに移した、とか、そういうあれではなかろうか、と猫は推測します。
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