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見た目だけでは硬いか柔らかいかの判断ができず、実際に触れてみれば仔猫の小さな爪では表面がわずかに沈ませることすらできない硬質で、リオニルによって転がされまくっても床や壁、家具との接触で音を立てることのない、そんな謎の物体。
というか物体と呼ぶべきかどうかがまず怪しい。魔力の塊とかそういうカテゴリーなのでは?と思うんだけど普通に形があって手で持つことができるので物体?みたいな。
直径六、七センチほどの球体。白くて、よーく見ると薄ぼんやり青白い光を放っていて、棘と端がぎざぎざの葉を持つ蔓植物の形状をしているけど厚みはなくて平たいなにか、それを、あるものを包み込む形で球状に形を整えて作り上げたもの。ちょっとワイヤークラフトを連想してしまう。
植物モチーフの謎のなにかで形成された丸いなにかがその中心に閉じこめているのは、乳白色にところどころ緑や黄色の粒が混じった石――オーリ君たちが魔石と呼んでいるやつである。三センチあるかないかくらいの大きさで、形はごつごつしていてあまり綺麗じゃない。色と見た目の質感はちょっと宝石のオパールっぽいかも。
この魔石は、例のリオニルに狩られた魔物の蛇から出てきたものだ。
オーリ君がお隣に魔物の蛇について伝えに行った際、ラシェト卿たちとの話の流れで、魔力や神の力を感知する能力が低い人間の場合、地元産の魔物とよその魔物の区別はつくのか、とかそういう話題になった。
結論を言うと、確実に判別ができる手法ではないが、ある程度は魔物の体内にある魔石の色でも区別ができるはず。同じ神による神造迷宮であればそれに由来する魔石の色は同じであることが多いから――ということらしい。ただし、「気まぐれに魔石の色を変えてくる神もいる」「たまに魔石の色が日替わりになる期間がある迷宮の存在が知られている」という指摘も出てきてたりする。気まぐれとか日替わりとかえらく自由度が高い。
で、蛇の身体の中の魔石とご近所の迷宮由来の魔石は見た目で産地が違う魔石と判別できるのかどうか、ということになったわけです。
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