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うわー、広いお部屋だー、とプチ上がったテンションで部屋の中をひと通り見て回ってサイドボードにもベッドにも本棚にも飛び乗ってみたりもしたんだけど、ひとはしゃぎしてから改めて確認すると、面積のわりには物が少なめかもしれない。もっと家具を増やせる余裕がある。
なんていうか、必要なものは揃ってます、必要でないものはないです、って感じ。といってもわたしには本棚に並ぶ本の内容がわからないので、もしかしたら必要でない書籍だらけな趣味全開の本棚なのかもしれないけど。
……まあ、元々あった家具を敢えて減らした可能性もありそうだ。なにしろ、デスクも本棚もサイドボードも、寄せ木細工の床も細かい模様が織り込まれた綺麗な敷物も、どれもこれもあちこち傷だらけになっているので。
廊下へ出る扉、いまは重そうな置物をドアストッパー代わりにして少しだけ開いた状態で固定されているけど、この扉も取っ手周りを中心に盛大に傷が入っていたりして、なんかこう、色々と察せられる。
前足も後ろ足も、身体のサイズ相応に小さくはあれども立派な爪があるもんねえ、そこの白い空飛ぶ爬虫類。こいつが外出たいーって扉がりがりやればそりゃああもなるでしょうねー。
装飾控えめ、実用性重視っぽいデザインで統一された家具たち、わたしの感覚だと重厚感あってけっこうお高そうに見えるんだけど、いいんだろうかこんな扱いで。って、既にここまで傷んでていまさらいいも悪いもないだろうけど。こういうのってお城の備え付け? オーリ君の私物? それともここで一番偉い人らしい殿下の財布で購入?
……リオニルって室内飼いする生き物なの?ってオーリ君に訊きたい。わたしが人間の言葉話せたら絶対に問い質してる。なんか飼い方間違えてません? 大丈夫?
でもこの世界、竜騎士で部隊作れるレベルで人に飼われてる竜が存在するらしいので、竜の育て方のノウハウは蓄積されてそうなんだよねー。ってことは室内飼いでオッケーなのか……。
一つだけ確実に言えるのは、この部屋の中でわたしがどれだけ爪を研ごうが、なんら問題にはならないってことですね。サイドボードでも敷物でも使いたい放題、爪研ぎ放題だ。わたしが多少破壊活動したところでもはや誤差である。
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