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順番に四班、五班、続く六班まできたところで、未だに返答は心当たりなしオンリー。
……人数多いですね。一班五人で、ここにいるのは全十班ってところ。それに加えて各班に一人ずつ推定ベテランの人がついてるから、計六十人。小学校なら二クラス作れる。いやほんとに多いな。
これだけ人数いても、少し離れたところにいると全体の様子がわかりやすい。例えば、端っこのほうでなにやら焦った様子のグループがいるなー、とか。せんせー、あそこの五人組明らかになにかおかしいでーす。あいつら絶対なにかやらかして隠してるでしょー。
「第八班!」
呼ばれた八班代表の若者は、「あの、ええと、その、」ともごもご言いながら、横目で助けを求めるように仲間のほうをちらちら見ている。
「質問には明瞭な声で、速やかに答えろ! 言いたいことがあるならさっさと言え!」
「いえ、ですが、でも、あの」
「言えつってんだろうが!」
「ごめんなさいぃぃ!!」
親に叱られた子どものような謝罪とともに口を噤んでしまった班代表の代わりに、別の一人が挙手した。
「よろしいでしょうか大隊長!」
「許可する。なんだ!?」
「はい! 三日前の実戦訓練の際、そこの十班の奴らが植物型の魔物を見失ったのではないかとこそこそ話しているのを聞きました! 直ちに報告すべきところを怠ってしまい、誠に申し訳ありませんでした!!」
途端、なに告げ口してんだ、仲間を売るのか、などという声が、名指しされた第十班のあたりから上がる。本人たち一応小声で喋ってるつもりなんだろうなーとは思うんだけど、意外としっかり聞こえちゃうもんなんですね。
「自分もよろしいでしょうか」
今度手を挙げたのは、第三班あたりの位置にいる若者だった。
「この隊ではなく第一隊配属の者なのですが、顔に飛びついてきたのに驚いて振り払い、そのまま捕捉できず逃がしてしまった、などと話しているのを宿舎で耳にしました」
あ、よその人に飛び火した。
「まさかとは思ったが……。つうか管理どうなってんだ。ただ数を算える程度のこともしてないのかよ」
ラシェト卿はお付きの人たちにぼやいた。
「第九班、お前たちはなにかあるか? ――よろしい、次、第十班、そこの奴の発言は事実か!?」
狼狽える第十班メンバー、そっと目を逸らす他の班の人たち。
結局十班からの反論はなく、すべて事実と素直に告白した。
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