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なにかが入った袋を片手に厨房に戻ってきたオーリ君と、「そろそろ隣に戻らなきゃ」という青いワンピースのメイドのおばさまと、二人連れだって厨房の裏口から外に出る。
わたしとリオニルも一緒です。オーリ君としてはわたしもリオニルも置いていくつもりだったようだけど、リオニルは飼い主の意向なんて知ったこっちゃないとばかりにオーリ君にまとわりつき、わたしもリオニルに倣ってオーリ君の身体をよじ登り左肩の上にポジションを確保した。
オーリ君の着ている服、特に刺繍による装飾がある上衣は猫が爪立てるの忍びないなーと一瞬だけ思ったけど、間近でよくよく見ればすでにところどころ細かい損傷があって糸がちょいちょい飛び出てたりするので、ちょっとやそっと猫の爪が傷つけたところで問題なさそう。おそらく、というか確実にリオニルの相手をしているせいでダメージを受けたのだと思われます。ていうかこういう服はパワー有り余ってる小動物と暮らしている人が着ていい服じゃないです。他に着る物ないってわけじゃなくて制服とかそんな感じで選択肢がないんだろうけど、この服作った人も可哀想に。
青ワンピースメイドのおばさまが戻るという「隣」というのは、わたしたちがいる建物を含む敷地と隣接するお隣のことだった。
あらためて外から眺めると、わたしがお邪魔していた建物は雑木林――というか木がたくさん生えたお庭?に囲まれた、石造りの屋敷――というより、城だった。うん、お城。○○宮殿とか○○パレス系じゃなくて、○○城砦とか○○フォートレス系寄りの無骨な外観。リオニルが暴れた温室やメイドさんたちが休憩していた厨房は建物の一角、比較的距離が近いところに固まって配置されている。
裏口を出て小道をしばらく歩くとすぐに石造りの壁に行き当たる。目測、成人男性一人半くらいの高さ。通用門らしい目立たない出入り口があって、そばには人が立っていた。壁のこちら側に一人、あちら側にももう一人。着ている服は濃い灰色の上下、長い警杖を片手に持ち腰には剣。どこからどう見ても警備の人ですね、お仕事お疲れ様です。
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