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「俺らは今日も普通に仕事して金が稼げると思ってたんだからさ、それがいきなり今日はなしとか言われても困るんだよなー」
ジルドナート青年を相手にぶーたれるミケちゃん。文句を言いたい気持ちはまったく収まらないものの、主張したいことは仕事がなくなって困るという一点のみのため、延々と同じ愚痴をループしている。
一日いくら稼げるはずだったのかはわからないけど、おチビちゃんたちも一緒する予定だったならあまり本格的なお仕事は無理だろうし、ヴェルゼン様曰わく小遣い稼ぎなんだよね。ミケちゃん以外の子たちは無理とわかればすんなり諦めてるようだし、これで生活支えてます、この収入ないとマジ無理ですレベルで困るというわけではなさそうである。そのためか、ミケちゃんの愚痴の受け皿役を務めるジルドナート青年は完全に聞き流しモードに入ってる。
「あーのーさー! 兄ちゃんさっきからうんとかそっかとさ適当すぎんだろ! 真面目に聞けよ!」
「いやちゃんと聞いてるって」
「嘘つけ!!」
正直、全然真面目に聞いてないとは思うんだけどねー、端から見てても。でもまあ、これ真面目に聞いててもなーと思う気持ちもよくわかるのですよ、うん。
「なあ、銅版迷宮がダメなら他になんかないのかよ、俺らができそうな仕事」
「それ俺に言われてもなあ……」
「兄ちゃんも一応調薬師ギルドの人間だろ」
「違うんだよなー」
「違うの!?」
驚いた声は三人いる女の子のうち一番年下の子。ていうかいまさら気づいたんだけどジルドナート青年もこのお子様たちとはしっかり顔見知りだった感じですね、これ。
「違うんですよー」
「でもお兄さんヴェルゼン様のお弟子さんなんでしょ?」
えっ、そうなの!!??
「いやーそれも違う……いや違うわけでもないんだが」
なんか曖昧。
「つーかヴェルゼン様が調薬師ギルドの所属じゃないんだよそもそも」
「ヴェルゼン様いつもここにいるよ?」
子どもたちの中の誰かが言う。
ここって、この建物ってこと? この建物にあるのは守備隊の詰所っぽいのと銅版迷宮と、あと真ん中の入口から入ったらすぐ正面という、一番いい場所にあるカウンター。消去法で建物中央のカウンターあたりが調薬師ギルドという組織?の占めてるエリアってことになります?
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