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わたしがぐっすり寝こけている間にバスケットに入れられ他の場所へ――なんてことはなく、現在地は寝入る前と同じ、銅版迷宮の入口とフロントマン風の男性が立っているカウンターと守備隊の詰所っぽいのが同居している建物一階である。
わたしを取り囲んでいるのはお子様たちだけど、その向こうには探索者らしい大人たちの姿がある。
子どもの中で一番年上はミケちゃんで、下は四歳とか五歳とか、日本なら幼稚園に通っているくらいの年齢に見えるんだよね。このくらい年の子が三人いて、きらきらした目でわたしをじっと見てくる。わかるよ、年長のミケちゃんに遠慮してるだけで、君たちも可愛い猫ちゃん触りたいよね。わかるけどこの年頃の子どもって小動物に対して適切な力加減できるの?という疑問が少々。ミケちゃんは無意味に力入れたりしてないからね、一応。
そして、おチビちゃんたちより上、小学校低学年くらいの子が一人に、中学年ほどに見える子が二人いる。
低学年っぽい子と中学年あたりの子の片方が女の子で、他が男の子。……と思ってたら小走りにやってきた子がいて、女の子一人追加。
「やっぱり今日は無理みたい。明日もどうなるか全然わからないって。果樹園の銅版、どっちもまだ見つからないんだって」
新たに輪に加わった女の子がそう報告する。ミケちゃんよりは年下な感じだけど、十歳か十一歳か、そのくらいの年かな。この一団の中ではこの子も年長組のほうだ。
「じゃあ、薬草の家は? そっちもまだ?」
「うん。だから子どもが入れるようなのはないって。しばらく駄目かも」
「そうなんだ……」
会話は女の子三人だけで進んでいるけど、ミケちゃんはじめとする男の子たちも真剣な顔で聞いている。
察するに、この子たちも銅版迷宮に用事があってここに来ているらしいです。ところが神様の気まぐれだかなんだかの習作追加実装で迷宮に変化があった都合で、本日の予定がご破算になっちゃった、みたいな状況? この理解で合ってます?
そして迷宮にはどうやら果樹園と呼ばれる銅版がおそらくは二枚と、あと薬草の家というのが存在していて、そこはお子様が立ち入っても大丈夫なところと判断されているようだ。銅版迷宮って、なんか色々多彩っぽい感じ?
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