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ツンツンした短髪はくすみ気味の金髪、目の色は少し赤寄りの琥珀色。年齢は十二歳前後、小学六年か中学一年かってあたりに見える。といっても他の人の年齢なんか正確なところはわからないのでざっくり適当だ。
なんにせよちゃんづけで呼んでるのがバレたら怒りそうなお年頃。まあわたしがどれだけミケちゃん呼ばわりしても向こうにはまったく通じないので呼びたい放題だけど。こういうときには言葉が通じないのも便利だよね、こういうときだけは。
ついついミケちゃんなんて可愛らしく呼んでみたけど、あまりミケちゃんって感じの子でもないかなあ。外見の印象だけで雑に評価してしまうと悪ガキ風味が強めの男子で、猫っぽくもなければ三毛でもない。……ってそんなの当たり前だ。わたしはミケと聞いてうっかり三毛猫を連想しちゃったけど、普通に考えてミケの由来が三毛猫なわけないもん。
ミケって名前、本名なのか愛称なのかどっちだろう。愛称なら正式な名前を略したタイプか、それとも全然関係ないところから来ているニックネーム?
略してミケになる名前ってどんなのかな、おそらくミケ始まりってことになると思うけど、思いつかない…………あ。
あれだ、歴史の教科書でお馴染み、ルネッサンスのミケランジェロとか!
……とかっていうか、真面目にミケランジェロ以外まったく思い浮かばない。わたしの頭には人名辞書なんてインストールされてないですしー。
そういえばミケランジェロってファーストネームだっけ? それともファミリーネーム? 教科書にはミケランジェロとしか書かれてなかったよねえ、たしか。じゃあファミリーネームだったのかな。一国の王様やら征夷大将軍の徳川さんやら、同じ家名がたくさんいる人じゃなければファーストネームよりファミリーネーム記載しそうだし。あれー、ほんとにどっちだミケランジェロ。
遠く遠く、世界の壁を隔てた向こう側の芸術家に思いを馳せるわたしの頬を、ミケちゃんが摘まんで左右に引っ張っている。
あのですね、猫の頬っぺたなんて引っ張ってもそんなに楽しくないと思うんですよわたし。リスやハムスターじゃないんだからそんなに伸びないし。いやまあ伸びるは伸びるけど、頬に大量に物詰め込むタイプの動物ほどには劇的に伸びないと愚考いたします。だから猫の頬を引っ張るのやめれ、このミケちゃんめ。
ていうかこのミケちゃんたちはいったいどこのお子様方ですか。年齢二桁なのは確実と思われるミケちゃんはまだしも、他の子たちは明らかに探索者やれるような年じゃないんだけど。
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