114
迷宮って神造で、神様が造り出すんだっけ。この世界の迷宮全部がそうなのかは知らないけど、ここ、ニフニの銅版迷宮は神様謹製。ただし習作? 習作ってどういうことなの。
それはともかく、神様にお願いして仕様書とか説明書とか貰うことってできないんですかね。あと内部の案内図とか。そういうの必要だと思うんだけど。……まあお願いしてほいほい貰えるようならとっくに貰ってますか。
そしてこの銅版迷宮って、普通は犬猫や家畜といった動物が入ってこられない場所であるらしい。
オーリ君たちの話している内容から考えるに、基本は迷宮の中に入りたいという意思の有無で判定される感じ? そんでもって、迷宮とはなにか、銅版と迷宮との関係は、などをさっぱり理解できてなくても、ご主人と一緒がいいという一念で迷宮内に入ることに成功した羊や鶏の例があると。その羊と鶏、その後ちゃんと迷宮の外に出られたんだろうか……。
まあつまりは、一見ただのどこにでもいるシャム柄模様キャットのわたしが銅版迷宮に入れちゃった理由が、オーリ君たちにはまったくの謎だって話なわけですよね。わたしにとっては謎でも不思議でもないんだけど。
ここから迷宮に繋がってるの? この板の中が迷宮? どういうシステム? わたしも迷宮の中に入れたりするのかな――とかなんとかとりとめのないことをつらつら考えながら銅版のすぐ近くをうろうろしていたせいで、迷宮への進入意思あり確認よし、でトリガー引いちゃったんだと思われます。ちょっと判定緩くない!?と思わなくもないけど、入りたいと思ったか思わなかったかならまあ前者なんだよね、うん。
わたしがなんの変哲もないノーマルキトンであったなら、まず金属の板から迷宮へ移動できるなんてことを理解できるわけもなく、目の前に銅版があっても転移したいなどと考えることはないため、銅版の至近距離をうろちょろしてようが直に接触しようが問題はなかったはず、ってことなわけだ。だからこそ、わたしが台座の上に飛び乗っても、誰も咎めることはなかったと。だって皆さんの常識からすれば、それでなにかが起こるなんてことはないんだもんね。
そしてそして、オーリ君たちからすれば入ってこれた理由がよくわからないため、ちゃんと出られるかどうかが疑問である、と、そういうことですか。なるほどなるほど。
たぶん、迷宮から出るときも入るときと同じように、外に出たいって意思が必要で……ってことなんでしょ。要するに、オーリ君たちがいましている心配、しなくていいやつー。普通の猫と違ってわたしはそれ楽々クリアできるから! 問題ないから!
……ところで、出入りに本人の意思必須なら、中で意識不明に陥った場合ってどうなるの? 救済措置はありますか?
※書いている人間は絵文字、とりわけ黄色のフェイスマーク全般があまり好きではないため、リアクション機能の使用は控えていただけると助かります。




