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愛されキャットはじめます in 異世界  作者:
 

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「〈白の七〉」

 オーリ君が唱えた短い呪文とともに、地面の石畳から三メートルくらいの高さに白い灯りが一つ、ふよふよと出現する。

 いまのオーリ君、右手は爬虫類(リオニル)、左手は哺乳類(わたし)で塞がってるため、指先で空中に文字を書くやつができないんだよね。どうやらリオニルは放すと勝手にどこか飛んでくと思われているし、わたしは放すと勝手にそこらをうろついてなにかやらかすと思われているようだ。実際やらかしたばかりなのでしばらくはおとなしく掴まれているつもりではあるけど、うっかり迷宮に突入してしまったことについては不可抗力だと思うんですが。だって近づいただけで迷宮の中に送られるなんて完全に予想外だったし、それにわたしが銅版の台座の上うろうろしていたとき誰も制止とかしてこなかったよね!? 近づくだけでアウトならそれ最初から教えておいてほしかったです。

 指書き文字ではなく呪文で生み出された灯りは、ランプに比べればずっと明るいんだけど、でもオーリ君が出した灯りにしては光量控えめに感じる。出てきた灯りの数も一つだけだし、言ってしまえば完全に劣化版だ。なんとなく呪文の詠唱なしとありとでは後者のほうが効果が強いってイメージあるんだけど、そんなことはなかった感じ? それとも、一言だけの短い呪文より指先で書く文字のほうが複雑だからとか、そういうなにかがあるのだろうか。

 そんなちょっと控えめな灯りではあっても光源は光源だ。ランプだけだったときより視認できる範囲が広がる。

 そして、わたしはそれの姿をはっきりと見た。

「――――???」

 なんかこう、オーリ君が出したばかりの魔法の灯りよりさらにちょっと上のほうにですね、白い物体が浮かんでいたんですよ。掌二つ分くらいのサイズの四角がいくつも連なったライン状になっている感じの、なんかよくわかんない形状の、四角だけを使用して蛇っぽくしてみましたー的なデザインに見えなくもないなにか。それが複数、頭のずっと上で浮かんでうごうごしていた。

 カタカタ音の出所ってこれか。


※書いている人間は絵文字、とりわけ黄色のフェイスマーク全般があまり好きではないため、リアクション機能の使用は控えていただけると助かります。

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