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「ご覧のように」
そうオーリ君に返すクルト・ゼーネ゠オライセンさん。なにがどうご覧のようになのかわたしには「???」でしかないけれど、オーリ君にはそれで通じているらしいです。軽く頷いている。
クルト・ゼーネ゠オライセンさんは、この場にいる中では少数派となる冒険者っぽくない服装の人物だ。冒険者っぽい、ぽくないの判定はわたしの主観によるものなのでそこはご了承ください。
腰に剣は提げてはいるものの、上着は明らかになんか品質よさげに見えるもので、中にはシャツの上にベスト着用。周囲の冒険者風な人々が身に着けているような、要所に補強ありの皮革製だとか布製でも露骨に分厚いベストとかなどとは違う、普通のお高そうな衣装だ。腰の剣がいかにも使い込んだ実用品ですって雰囲気を漂わせる、有り体に言ってしまえばちょっとボロい鞘に収まっているのが浮いている。……あ。よく見たらブーツも少し傷んでるし汚れてる。ちゃんとしてるの服だけなタイプかこの人。
上着の左胸のところに銀色に輝く飾りが二つ並んでいるのが目立つ。片方は水瓶?と葉っぱをつけた木の枝を組み合わせたもので、もう片方は全体が盾の形をしていて、その内側に交差する槍と旗みたいな意匠。
オーリ君に対して示してみせるようにこの飾りのすぐ下あたりに手を添わせる動作をしていたので、飾り二つのどちらかあるいは両方がなんらかの目印のような役目を持っているのかもしれない。
ところでこのクルト・ゼーネ゠オライセンさんの右手の甲にも、守備隊四人組やラシェト卿のお付きの人AさんBさんと同じ意匠の紋様があった。あのうにょうにゃぐね~んな感じの流れる水イメージっぽいやつだ。
というかよくよく見ればこの場にいる人たち、ほとんど全員が右手の甲に紋様ありじゃないですか、これ。手袋着用で確認できない人もちらほらいるけど。そして圧倒的多数派がぐにゃ~んな紋様である。色は様々だけど、雑に分類すると赤、青、紫の三グループかなあ。
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