青い椿
その白い雪景色の中
吹雪く白い雪の色に
冷たい
冴えざえとした色の
青い椿がたった一輪だけ咲いていた
青色の椿なんて
あり得ないのに
確かに青い椿が其処に咲いていた
周りの紅い椿が咲く中
私は
思わずその青い椿に手を伸ばした
が
触れるところで手を止めた
雪の白と
青い椿のコントラストの美しさ
これはもしかしたら神様からのメッセージなのかもしれない
そう思ったからだ
一輪だけの青い椿
雪の女王の髪に飾ったら
さぞ美しかろう
やはりこれは神様がたった一人の人のために贈った花なのだ
私は静かに
その場を去った
あの幻の青い椿を手折っていいのは
雪の女王しか
居ないのだろうから……
お読み下さり、本当にありがとうございました。