誘因
後から来た3人の男達が入ってきた扉から廊下に出て、人のいる気配を窺う。
真っ暗闇が広がる廊下の奥の扉から、複数人の気配を感じた。
鍵は開いている。
扉を少し開けると、地下へ続く階段が続いていた。
ルカは大きく息を吸い、
「すみませーん!上に上がって来て貰えますかー?人が倒れてて!」
誰だ!?何だ!?女!?
男達の騒つく声が響き、数人が階段を駆け上がってくるのが分かった。
急いで死体の転がる部屋へ戻り、更に呼び込む。
「こっちです〜!こっち!」
バタバタと足音を立てて勢いよく扉が開かれ、一人が入ってきた。
一番最初に室内に足を踏み込んだ男の横顔目掛けてダガーを放つ。
顔の側面が串刺しのように数本ダガーが突き刺さって、言葉も無く倒れ込んだ。
続いて3人駆け込んでくる。
「うわぁああ!!」
「おい!なんだこれ…」
「えっ!?えっ!?」
倒れ込んだ男の後に続いた一人はつんのめり、顔から血の海へ突っ込んだ。
残りの二人は扉の前で目の前の惨状にただ立ち尽くしていた。
部屋の隅で気配を殺して佇むルカには気付きもしなかった。
無理もない。
10人以上が狭い室内で血反吐塗れで、どう見ても生きている人間はいないのだから。
まず、一番扉に近い男の眼前に一瞬で移動し、心臓へ短剣を一突きする。
「ゴフッ…」
すぐさま離れ、もう一人の男の首元目掛けて短剣を横凪にする。
激しい血飛沫が、部屋を汚した。
「…うっおぇえ…!」
つんのめって倒れたままの男は嘔吐した。
その男の脳天目掛けてダガーを投げる。
しっかりと突き刺さり、そのまま動かなくなった。
(あと少し…)
大惨事の室内が見えないよう扉を閉じ、廊下から地下へ向かっていった。




