表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/97

待ち焦がれる

「必ず、助け出す」

耳に心地良く透き通った、けれども凛として力のある声が聞こえたような気がした。

声の主を見たくて、無理矢理目を開けたんだ。

目の前には見た事もない程キレイな人が居て、優しい顔をして僕たちを見つめていた。

女神様が僕らを迎えに来たのかな?

もしもそうなら、もうすぐ君に会えるかもしれない。

勇敢で、強くて、僕を救おうとしてくれた君に。

もう一度会いたいよ。

…ユノ。

少年は、久しぶりに穏やかな夢の中で微睡んでいた。






「ルカ、今からちょいとランチに付き合ってくれないかい?」

朝、宿の一室で身支度を整えながら、マリアがニコニコと昼食を誘ってくる。

「私で良ければ」

待っていた。

昨夜の話では、元締めらしき男とルカと引き合わせるよう話していた。

「あたし一人で行くには可愛らしいお店でねぇ。ウィルも行けなくなっちまったし」

「ウィルさん、お仕事ですか?」

「仕事だったらどんだけいいか。あの馬鹿、昨日酔っ払って賭場で暴れたみたいでね。店の前で素っ裸で寝こけてたらしいんだよ」

呆れ顔で話すマリアに対して、驚いた様子のルカ。

もちろん、ウィルは賭場で暴れたのではない。

人目のつかない場所まで運び、歩くのが辛い程度に痛めつけ、賭場の近くに放り投げたのはルカだ。

ついでに衣服を剥いて、酒を振りかけて放ってきた。

あんな外道、すぐにでも殺してやりたかった。

だが、今あの男が消えたら、不審に思った元締めに拠点を移されてしまう。

地下牢の牢番達も、今頃は見張りの交代がやってきて、酒盛りでもして泥酔していたとでも思われているだろう。

もしも何かを察していたなら、今日の引き合わせも無くなっていたはずだ。

どうやら、ルカの発した命令は効いたらしい。

あとは子供達の様子だけが気掛かりだった。

「さて、準備が出来たら出発するかね!」

マリアがとことん悩んで選び抜いた、例のご令嬢風の装いに、緩くハーフアップに纏めた癖の無い銀髪を靡かせ、連れ立って宿を出た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ