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第2話 僕のスキルは”進化”でした

 

 この世界では、”天界”から必ず1つのユニークスキルがもらえる。

 運が良ければ”女神ちゃん”が専属で付き、とんでもない上位スキルをゲットできるのだ。


 数千人に一人という幸運を射止めた僕は勝ち組一直線のはずだったのだが。


「あうううう……女神IMEの不具合?

 スキル言語D++は難しいよぉ……ちゃんと履修しとくんだった」


 よく分からないことを呟きながら頭を抱えているユーノ。


 残念ながら、僕付きの女神ちゃんは”アホの子”だった。


 神の使いと言われる女神にも優劣がある。

 女神ガチャに失敗した僕は、そのことをしみじみと痛感していた。


 ……ま、まあ……ユーノは可愛いし、一生懸命だし。

 とある事情でお互いの”初めての人”だから、邪険にはしたくないけれど。


 今後の人生を決めてしまう、大事な大事な”ユニークスキル”の発現で、このミスはあんまりである。


「という事でユーノ、このゴミスキルクーリングオフできないの?」


「天界の恩寵を怪しい通販みたいに!?」

「ざ、残念ながら……一度でも発動させたスキルの返品は不可となっております」

「ほらほら、女神ちゃん専属契約書のここに記載が」


 ちっ……ライ麦の実よりも小さな文字で書かれた規約に思わず舌打ちしてしまう。

 だけど、今回は女神側のミス……何らかの救済措置があってもいいと思うんだ。


「し、シンカーだってすごいスキルなんだよ?

 使いこなせれば女神ヤキウで20勝間違いなしっ!」


「いや、わけわかんないって」


 そもそも”女神ヤキウ”ってなんだよ……。


「頼むよユーノ~、今週中に仕事を何とかしないと、下宿とローンの支払いが……僕もうユーノを夜の街 (意味深)に派遣するしか手がなくなるよ……大事なユーノにそんなことさせたくないっ!」


「いやそれ、前提がおかしいからっ!

 でもまぁ……今回はこちらに多少の落ち度もあるし……や、やっちゃって大丈夫だよね?」


 多少も何も、女神サイドの落ち度しかないのだが、僕の必死のお願いに考え込むユーノ。



「よしっ……!

 ほにゃほにゃほにゃ……skillsend.add("shinka2.0")……」


 パアアアアアッ!



 ”救済措置”を実施する決心がついたのだろう。

 ぐっ、と握られたユーノの拳から、ピンク色の魔法陣が広がる。


 人間には理解できないコマンドワードと複雑な魔法陣……僕の身体を暖かな光が包み……。

 ステータスに燦然と輝く”進化”の文字。


 どうやら、無事に新たなユニークスキルが使えるようになったみたいだ。


「……あっ」


「”あっ”……?」


 ほんの数分前に聞いたフレーズをまたもやユーノが漏らす。

 今度は何をやらかしたのか……スキルは普通に習得できたように見えるけど……。


(や、やばっ……スキルを()()()()()()()()()()()()()()()()ぞ……た、確かユニークスキルは一人一つまでの神規定があったような……う、うし、誤魔化しちゃえ!)


「え、えとっ! お詫びの意味を込めて、”シンカー”も残しておきましたっ!」


「はあっ?」


 真っ青になったかと思うと頬を紅潮させ、こちらに身を乗り出してくるユーノ。


 この()()女神ちゃん、今なんて言った?

 ”進化”に加えて”シンカー”も使えるって?


 ひとりに()()()()()()()()()()()()()()()()なんて、聞いたことがない。

 こんなことをして大丈夫なのだろうか……まさかこの子はまたミスを?


「さ、さあっ! さっそく新たなスキルを試してみよ~っ!」

「行くよ、ノイン!」


「えっ!?」


 ぱしゅん!


 またやりやがったよコイツ……そんな表情をした僕を見てヤバいと思ったのか、

 精一杯の笑顔を浮かべたユーノは僕の手を取り転移魔法を発動させた。



 ***  ***


 ウオオオオオオオオオオンンッ!


「……はぁ!?」


 次の瞬間、僕の目の前にいたのは……黄金色の鱗を持った巨大なSランクモンスター、グレイトドラゴンだった。


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