ランキングを知ることから始めよう
Illustrated by 空野奏多さま
「ねこ先輩、読まれるのが大変だということはわかりましたけど、どうすれば良いんですか?」
ぷるぷる揺れている酢ライムさまをぷにゅっと潰したくなる衝動を必死に抑えます。
「とりあえず、王都へ参りましょう。今後何をするにも一度は現場を見ておいた方がいいですからね」
瞬間移動で王都へ。やってきたのは中央通りが一望できる王都の入り口。
「おおおっ!! ここが王都なんですね……すげえ人だ……歩く隙間もないですよ!! ランキングに載れば、俺もここに店を出せるんですよね?」
『はい、ですが、ランキングといっても色々あるのです。まずは中央通りですが、専門店が並ぶ19の小路に分かれています。いわゆるジャンルですね。例えば、暑い夏には冷たい物が食べたくなりますから、そういう時はホラー小路へ行けば良いのです。各小路には、100の出店スペースがありますから、皆そこを目指して切磋琢磨しているわけです』
「なるほど、ジャンルごとに100、全部で1900店舗あるわけですね」
『いいえ、実際には王都の中央通りはいくつもの階層に分かれているのです。期間毎の売り上げ上位が出店出来るデイリー(日間)、ウイークリー(週間)、マンスリー(月間)、クォータリー(四半期)、アニュアル(年間)、そしてそれぞれが1900ありますから、単純に9500の枠がある訳です。実際には重複が多いので、競争は激しいのですけれど』
「思ってたより沢山あるんですね……そして、長くランキングに留まれば、複数の場所に同時に店を構えることが出来るというわけですか……」
『ふふっ、これだけではありません。王都の地下には、異世界転移・転生エリアが広がっているのです。この地下街は、恋愛、ファンタジー、文芸・SF・その他の3つの小路に分かれていて、それぞれが300店舗、さらにこちらも同じように各種階層に分かれているので、4500ありますね』
「すげえ……もはや地下ダンジョンじゃないですか。でもなんで異世界転移・転生エリアは地下にあるんですか?」
『詳しくは知りませんが、あまりの中毒性の高さから、アンダーグラウンドへ追いやられたとか』
「でも、こんなに細かく分かれていたんじゃ、ランキングに入れても、なかなか大勢には読んでもらえなさそうですね……」
『そうですね。そしてほら! 見えて来ましたよ。あれが中央通りのセンター。この王都に集う全店舗の中で上位300店のみが出店を許される総合エリアです』
「おおう……まさに選ばれし精鋭ぞろいということですね……うわあ……どのお店も美味しそう……ってあれ!? あのお店、ねこ先輩の店じゃないですか!! すげえ!!」
『ふふふ、気付いてしまいましたか。デイリー(日間総合)127位の好立地!! さらに連載中に限れば、50位!! ジャンル別なら1位なのですよ!!』
「いや、すごいんですけど、結局最後は宣伝なんですね……」
『少しぐらい許して欲しいのにゃん!!』
「……今更ねこぶっても可愛くないですよ?」
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●今日のポイント
おかげさまで総合ランキングに入れました。今後も応援よろしくお願いしま~す。