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自殺

作者: 梅暦

きっかけは出来事であり,そこに至る過程は日常であります。

表されたものは,その人の一部でしかありません。

目に見えるもので全てを判断することのないよう,お願いいたします。

1.魅力

 首をつって命を絶つとき,どんなことを考え,感じるのだろうか。死は時に身近で現実的な意味を帯びるが,その実,体験してみることはできない。ヴィトゲンシュタインは「語り得ぬものについては沈黙しなければならない」と述べ,哲学の終焉を告げた。どんな臨死体験も死そのものではなく,生きる個人にとって死はどこまでも形而上の概念であり続ける。だから,死について考えることは無意味なことかもしれない。そうと分かっていてもつい考えにふけってしまう。死には不思議な魅力がある。


 魅力とは何か。ひとえに死は救済である。死について考えるとき,今の苦しみから目を逸らすことができる。死ねば後悔も残らない。自分の感情さえ処理できてしまえば苦しみは消え,自殺はそのための手段の候補として十分に躍り出ることができる。



2.考え

 自殺「した」ことに対し,「生から目を背け死に逃げた」と表現するのが好きではない。こんな発言がたくさん見られ,日本でニーチェが流行る理由がなんとなく透けて見える。確かに死は救済であるが,しかし同時に救われるためには多くの苦痛を乗り越えなくてはならない。社会的に与えられる苦痛ではなく,根源的な肉体の感覚としての痛み,生物としての本能に逆らうことで生じる痛みである。この痛みを捨象して,死について,もっと言えば生について語ることは,私にとって許されない行為である。死を実現することには多大なる勇気と忍耐が必要であることは想像に難くない。自ら命を絶つことは力強い行為であり,単なる逃避という言葉では片付けられない。


 別の言い方をすれば,自殺「する」ことは単なる逃避になり得る。なんとなく死にたいと考えながら,でも実際にはダラダラと生を浪費するだけのとき,今の自分に向き合う強さも,今の自分を捨て去る強さも持ち合わせていない。そして苦しみの火に油を注ぐ結果となる。ここで考えるべきは,その状態が善い悪いということではなく,自分の状況に対して自分自身がどう思うかということである。嫌ならなんとかせねばならないだろう。



3.執着の対象

 例えば「死ぬ瞬間に後悔しないように今を大切に生きる」という人生設計の仕方がある。ここでは死について考えていながら生から目を背けない。むしろ死から目を逸らせているとさえ言える。ハイデガーと似た考え方である。


 生への無意識的な執着が,死よりも生を優先しようとする。歌にしても,支援者にしても,日常に生きるただの人にとっても,死について考えることがそもそも不自然な行為で,受け入れがたく思われることは多い。死は形而上の概念に過ぎないから,これはある意味では正しい在り方である。では正しくあれない人間はどうすればいい?そして,死ぬ勇気も現状を変える努力もできない人間はどうすればいい?誰も答えはくれず,役立たずだと見なされて捨てられるだけである。



4.最後に

 どんな哲学者も死を直視することはできなかった。しかし裏を返せば,彼らは生を直視できたということだ。この強さをとても羨ましいと思う。多くの人は死に漠然とした不安を感じるだろう。しかし私にとって死に伴う不安は肉体的な痛みだけであり,自分の感情が失われたとき,他の何を失ってももう何も感じることのない平穏が訪れる。「誰かが救ってあげれば」という言葉を否定はしないが,自ら命を絶った人間の勇気と力強さに,ただひたすら敬意を表さずにはいられない


思うままに書いたのでゴミ構成ですわね。

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