なぐれなくなったゴブリン
ゴブリンのゴブ次郎はらんぼうものできらわれものです。
いつもだれかをなぐっています。
そんなゴブ次郎にもこいびとがいます。
ゴブ子ちゃんです。ゴブ子ちゃんはいつもゴブ次郎のことをしんぱいしています。
あるひ、ゴブ子ちゃんはゴブ次郎にプレゼントをよういしました。ゴブリンシティではやっているほそいネクタイ、 『ナロータイ』です。とってもオシャレです。
「ゴブ次郎、これあげるわ。あんたのこしぬのはダサいからこの『ナロータイ』とあわせてみなさい」
「おうゴブ子、ありがとよ。おれのビンテージこしぬのによくあうぜ」
「もうわるさしたらだめよ? わるさしたらばちがあたるからね」
ゴブ次郎はかるくへんじをしました。
きょうのゴブ次郎はごきげんです。じぶんのこしぬのともらったナロータイでこーでぃねいとはばっちり。むねをはってゴブリンむらをねりあるいています。
そんなとき、じけんがおこりました。
となりのコボルトむらがせめてきたのです。
「やい、きょうこそこのむらをこらしめてやるからな」
コボルトたちはきょうぼうです。しかしゴブ次郎だってつよいんです。
ゴブ次郎がコボルトをなぐります。するとナロータイがしまっていくではありませんか。
「くるしい、これはなんだ」
ゴブ次郎はそれでもむらをまもるためにたたかいます。
すべてのコボルトをげきたいしたゴブ次郎はそのままいきたえてしまいました。
ゴブリンむらではせいだいなおそうしきがおこなわれました。むらおさゴブリンがいいました。
「おおゴブ次郎よ。おまえはりっぱなゴブリンじゃったのじゃな。わしらがまちがっておった」
こいびとのゴブ子ちゃんもいいました。
「ゴブ次郎、わたしがわるかったのよ。あんたをまゴブリンにもどしたいばっかりに、よけいなことをしてしまったのね」
こうしてらんぼうもののゴブ次郎はむらのえいゆうとしてだいだいまつられることになりました。
えいゆうゴブ次郎がみにつけていたナロータイもひそかなぶーむになりました。
深い意図も、隠れたメッセージも何もありません。
ただ、何かを書かずにはおれなかったのです。
書き殴りたかったのです。