表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

山本の気持ち

作者: 山本

声が聞こえる・・・。

俺を呼ぶ声なのかはわからない。

だがたしかに聞こえるのだ。


俺の名前は山本。24歳だ。

現在は仕事をしていないが、働く気はある。

ニートではない。無職ではあるが断じてニートではない。

先日は面接にも行ったし、立ち食い蕎麦だが外食もした。

面接以外ではほとんど外出していないし、家族以外とは口をきかない。

ひきこもりに近いがひきこもりでもない。

話したいが口がうまく回らないだけだ。


俺は一体どうしてしまったんだろう。

今月の家賃もそろそろ払えなくなってしまうぞ。


現在の俺はパラレルワールドにいるんじゃないか・・・?

だって中学までは別に普通だったし。

きっとそうだ。

次寝て目が覚めたら小学校からやり直しだ。

真面目に勉強を頑張ろう。

恥ずかしがってないで女の子ともっと話そう。

斜に構えないで自分に素直に生きよう。

アキ子ちゃんは可愛くなるから唾つけておこう。


・・・わかってるさ。

誰よりも俺がわかってる。

この世界はパラレルワールドじゃないし、パラレルワールドなんかない。

だからダメ人間はダメ人間なりに生きていかなきゃいけないのだ。


仕事が嫌いなんじゃない。

けどすぐ辞めてしまうのだ。

後先考えないで辞めるのはダメな事だとわかっているが、でも耐えられないんだ。

人にバカにされるのも耐えられないし、つまらなくなってくると時間が無駄に思えるんだ。

どんな仕事をしてもこうなってしまうとしょうがないんだ。


周りが結婚だなんだといってる時に無職で時間を無駄にしていることを考えると辛い。

職歴も何個かあるけど1年ちょいしかないのが辛い。


働く気はあるんだ・・・。クソッッ。


小学校から野球やってれば今頃プロ野球選手になってたかもしれない。

MLBに挑戦して年棒23億になってたかもしれない。

中学から野球始めたから3年間補欠だったんだ。

だから最後の試合で4番のマッサージをずっとしていたんだ。

試合に負けたときレギュラーは泣いていたけど、俺は泣かなかった。

お前よく泣かないなって言われたけど、3年間真面目に頑張ってきて、補欠なのに泣けるかよ!

背番号渡された時に泣いてたんだよ!

でも可能性はあったんだ。

誰にでも可能性はあるんだ。

俺にも、あなたにも。


これから俺が内定をもらえる可能性もあるんだ。

彼女ができて結婚する可能性だって。


人は変われるんだ。

俺は変わるんだ。

今日から変わるんだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ