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12話

「なんというか、すっごくイラつくんだよな!」

 机をバン!と叩いて椅子から立ち上がる立夏ちゃん。

「私も立夏ちゃんに続いて一発お見舞いしてあげれば良かったなぁ〜」

「……」

 立夏ちゃんと蘭奈はいつも通りって感じなんだけど、いつもほわぁ〜ってしてる春華ちゃんがニコニコ笑顔ですっごく怖いこと言ってます。なんというか黒いオーラを纏ってる感じがするのです。春華ちゃんだけは絶対怒らせないように気をつけなきゃと思いました。

 そんなわけで放課後です。今日はなんとなくお昼休みみたいに4人で机をくっつけて、2ヶ月にいっぺんくらいのペースでやってる駄弁り会開催日のようです。この日やろうかって決めるわけじゃなくて、完璧にみんなの気分です。とにかく喋りたいって日が、なんでかあるんですよ。下校時間ギリギリまでとにかく駄弁って駄弁って駄弁りまくりなのです。今日の話題はもっぱらあの人について。

 あ、ちなみにくっつけた机のうちゆりのはほとんど役目はありません。理由はまあ、お察しの通り。

「ゆり、復讐したいって思わないの?」

「うん。蘭奈がいるもん。蘭奈とラブラブしてたら、十分あの人への復讐にもなるでしょ?」

 頭をなでなでされながら答えます。

「まあそうなんだろうけど……」

「妃結梨にあいつを近付けさえしなければ問題無いわ」

「それだけで済むか?」

「無理ね」「無理だよね〜」

 2人の声が綺麗に重なる。

「だよな。主にあたしらが」

 3人とも気が立っていらっしゃる。

 蘭奈が後ろからぎゅーしてくれてるのでゆりはどうでもいいのです。もう知らないし、あんな人。

「まあ本人がそれでいいなら、手は出せないけど」

 息をついて座った立夏ちゃん。表情で納得いってないのが見てとれます。

「あれ、絶対またゆりに絡んでくるわよね。警戒しといて損は無いわ」

 戦闘力的に頼もしすぎる蘭奈と立夏ちゃんに本気で怒ったら何をするのか予測が立たない春華ちゃん。おかげで何も不安は感じない。

 あの人が何をして来ても守ってくれるもんね。っていうか、蘭奈ったら「あれ」呼ばわりしてる。

「お腹空いた〜」

「あ、私今日たくさんお菓子持ってきてたの! 忘れてた〜」

「あたしもクッキー焼いたのよ」

 蘭奈のクッキー!!

 2人によって、あっという間に机にお菓子がたくさん並べられます。

「お前ら準備いいな……」

「こうなること、分かってた?」

 ま、いっか!

 迷わずクッキーに手を伸ばす。けど、蘭奈の手に先を越されました。ぼーぜん。なんですか、今の早技は。

「はい、妃結梨。あーん」

 そういうことか♪

「あーんっ」

 ん〜♡ おいしー!

「ゆりちゃん幸せそうだねぇ〜」

「あいつとあんな事があった後とは思えないな。てか、蘭奈もゆりにだけじゃなくて周りにそれくらい愛想良くすれば良いのに」

 あ、それには同感。だってクラスの子たち、用がある時本当に話しかけづらそうだもん。急ぎじゃない時は立夏ちゃん春華ちゃんを通じて、って事も結構あるみたいだし。

「逆にそこが良いんだって好評価なんだから、別にいいんじゃないかな〜」

 ゆりたちだけじゃなくて、他の子とも仲良くすればいいのに……。うーん、でもそれはちょっと嫌かも。

「よっ、と」

 ポテチゲット〜。

 あー太っちゃう!

 でもお菓子はやめられないー!!

「別に意識はしてないんだけど。そんなに冷たいのかしら」

「自覚なしだったのかよ!!」

 すかさず立夏ちゃんの突っ込みが入った!

「サバサバしてるんだよ蘭奈は。ニコってすればいいのに」

「作り笑顔って苦手なのよね。それより妃結梨、最近少し重くなったんじゃない?」

「ゔっ」

「もっと太りなさい」

「えぇ!?」

 痩せろって意味じゃなかったの?!

「痩せすぎだもんな」

「ゆりちゃん食べてもあんまり太らない体質でしょ? 私にその体質譲ってほしいな〜」

 痩せすぎじゃないし、春華ちゃんはそのままでいいと思うし!

「太るなんてやだよー! もう、蘭奈が美味しい物いっぱいゆりに与えるから〜!!」

 って、文句を言いつつまたクッキーに手を伸ばしてしまうゆりです。むぅ。

 なんか悔しい……。

ガールズトークというべきなんでしょうが。高校の友達とファミレスに行くとお昼ご飯とおやつのポテトとドリンクバーで5時間以上居られます。駄弁ってます。駄弁り会と呼んでます。楽しいです。

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