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勝手に絶望
仕事を辞めてからしばらくブラブラしていたが、ニートという不名誉な呼ばれ方は耐え難く、性懲りもなくまた勤めに出た。
今度こそ輝かしき未来を掴むのだと休日も使って仕事に打ち込んだ。
徐々に仕事を任せてもらえるようになりうまくいっていたように思う。
同窓会があった。
こんな私でも久しぶりに同級生と会えるのが楽しみで柄にもなくウキウキしながら会場へ向かった。
彼らの多くが結婚していて幸せな近況を語ってくれた。
その姿に間違いなく嫉妬していたが、表面上は全力で祝福するように努めた。
どこまで隠せたかは甚だ疑問だが、できる限りのことはしたはずだ。
そして自分には信頼できるパートナーがいないことに気付き打ちのめされた。
座していたところで何が変わるでもなし。
いないならば作るまでと婚活を始めた。
そこで直面したのは男は選ばれる立場であるということだ。
蘇りしは就職活動の忌まわしき記憶。
いいかげん自分という人間は分かっているので自己推薦などしようもない。
自尊心が生み出す堂々巡りは相反するはずの卑屈さとの共存を可能にした。
きっと私がパートナーに巡り会うことはないだろう。