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第0話 プロローグ

自分のルックスにコンプレックスのある女の子 碧希たまき。あることをきっかけに、ずっと女の子に見られることを諦めていたが、高校生になってからは恋愛に興味を持ち始める。そんなある日、同じようなコンプレックスを持った男の子に出会って、、、。


第0話プロローグ


この街には女性に人気のカフェがある。お客様の目的はカフェで人気のクリームがたっぷり乗ったフワフワのパンケーキ。そして、もう1つは―――


直毛のショートカットに切れ長な2重、高めの鼻の整った顔立ち。誰もがイケメンと認めるであろうプロポーションのスタッフだ。


「ミルクティーに苺クリームパンケーキ、以上2点でよろしいですか?」

「はい♡」

「かしこまりました。少々お待ちくださいませ。」


イケメンスタッフにウットリしながら返答する女性客は、意を決してスタッフに質問を投げかける。


「あ、あの!一目惚れです。お付き合いされてる方はいますか?」

「ごめんなさい。今は恋人をつくる気はないんです…」

「いえ…っ!こちらこそごめんなさい。いきなり…」


こんなことは日常茶飯事。女性というものは肉食系の人が多いのかな、と思える光景である。


イケメンスタッフは退勤時間になり店長に挨拶に行くと、店長は今日も売上好調なのかご機嫌だった。


九条くじょう、相変わらずモテモテだなぁ。お陰で店も女性客が増えて大助かりだよ!」

「そんなことは。店長…おおげさですよ。あの、じゃあお先に失礼します。」

「おう、お疲れ」


この若者、九条くじょう 碧希たまき 16歳。このカフェでバイトをしており、女性客に絶大な人気を誇り、店の売上も上々だ。


しかし、女性客達は1つ誤解をしている


彼女は男子ではなく、れっきとした女子なのである。もちろん、性別を隠している訳ではない。ただ、制服が男女共用デザインなのもあり、服装で性別判断は不可能なのだ。


更衣室に入って着替えながら、たまきは呟く。

「この髪型にして、もう5年か…」


昔は 碧希たまきも髪を伸ばしていた。

しかし、彼女の運命を変える出来事が起きた。

あれは小5の夏のスイミングスクールでのことだった。

「今日はクロールを習う日だ」

碧希たまきはスイミングスクールが大好きだった。この日も新しくクロールを習う日でルンルンで女子更衣室に入ろうとしたのだがー


「ちょっと!」


更衣室に入る寸前でぐぃっと袖を引っ張られた。 碧希たまきが驚いて振り返ると、そこにはロングヘアーの女の子が眉毛を釣り上げて立っていた。「なに?」そう聞こうと口を開いた瞬間ー


「そこは女の子が着替える所よ!男の子はあっち!!」


一瞬、思考が止まった。

しかし、すぐに言葉の意味を理解し ショックに苛まれた。


(髪が長いのに男の子だと思われた!?)


ズボンだったから?そう思おうとしたが、当時 碧希たまきの髪はセミロング。とてもじゃないが、短いとも言い難い長さだった。それなのに、男の子に間違えられてしまったのだ。このことは思春期の彼女にとってかなりのショックだった。

そして、この出来事は彼女をある考えに至らせる。


長くても男の子に思われるくらいならこんな長い髪いらないー


彼女は短髪にし「最初から男の子と間違えられる」事を選んだ。


女の子らしくしていても、男の子に間違えられる方が辛かったのだ。




ーそして、現在に至るわけである。


傷つかないことを選んだ代償は中学に入ってから感じることになる。

男子から女子として見られず、他の女子とは同じ扱いをされないことが当たり前となったのだ。


「このままでも別にいいや」


高校生になってもその考えは変わらなかった。これからもずっとそうやって生きていくと思っていた彼女だったが、最近、親友に彼氏ができてから考えが一転することになる。

親友が幸せそうに、見たことのない表情で彼氏の話をするのを聞いているうちに、 碧希たまき


「いいなぁ」


素直にそう思うようになった。見た目はイケメン男子でも、やはり中身は女の子。「今のままでもいい」それは彼女の強がりで、本当は普通に恋がしたいのです。


いつか彼女にも、素敵な出会いがあるのでしょうか?

2016年に某縦読みカラー漫画アプリのチャレンジで描いていたお話です。漫画を書く余裕がなくなり、更新しないまま放置になっていましたが、文章なら続くかな?と思い書くことにしました。

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