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1話 俺の母はゴリラです

はじめまして~

書き物初心者が見切り発車でお送りするお話です笑

至らないところ、多々あると思います。

ビシ!バシ!指摘していただけたらこれに勝さる幸福はございません!

だって、それって感想をいただけるってことですものね笑

まあでも、とうふメンタルなので優しい言葉でお願いします……

ゴォ!!


かなりヤバそうな音を立てて黒い塊が目前に迫る。

触れてもいないのにその風圧だけで飛ばされそうになるが、予め踏ん張っているので問題はない。

それに、喰らえば即死確定の拳でも、俺の母が加減を見誤ることは無い。

あと数ミリで当たるという位置でピタリと止まる。

慣れたもので恐怖はなかった……が、俺の後ろの木々はすごいことになっている。

直撃したわけでもないのに、両手でも抱えきれないほどに太い木々が、あるものはへし折れ、あるものは根っこごと吹き飛び、学校の教室ほどの広い空間ができていた。


「母さん、やっぱり見ただけで真似るのは無理じゃないかな?」

「私はこうやって覚えた」

「いやでもほら、体格というか、骨格というか、ていうか種族違うじゃん?」

「……そうだね」


できるだけ明るく言ってみたが、やはり悲しませてしまったらしい。

種族の違い。

それは母に、俺との間の超えられない溝を感じさせるのだろう。

そんなものは無いのに。

俺は母が好きだし、母は俺を愛してくれる。

それだけで十分なはずだけど、これをはっきり示すのは意外と難しい。

いくら言葉を尽くしたとしても、どんどん薄っぺらくなるものなのだ。

母は俺の言葉を全力で受け止めてくれるが、それでも心の底の底まで届けるには一歩足りない。

こんなときはやっぱり、行動で示すに限るよね!


「いや、何かできるような気がしてきたよ!母さん、見てて!」

「……やってみなさい」


母は嬉しそうに目を細めてこっちを見ている。

よし!あとはパンチの威力さえ確保すれば完璧だ!

……さっきからそこが問題ナンダケドネ。

まあ、やるしかないものはやるしかないのだ。

ぼんやりと残っている前世の知識で一番強そうなパンチ、空手の突きを真似てみることにした。

流石に母のように予備動作ゼロで突き出した拳で竜巻なんて起こせない。

呼吸を深くして集中し、腰を落とす。

突き出した左手と腰のあたりまで引いた右手を入れ替えるように打つ。

このときひと工夫するのを忘れない。

お腹の下の方に力を込め、練り上げた気を全身に送り込むイメージ。

これをすると普段よりもパワーが出るのだ。

近場にあった木を標的に全身全霊の突きを放つ。


ヒュン!


随分と軽い音だが、良い感じだ!あとは木にヒットした後……


ゴパァ!!!


景気の良い音がして拳の直撃した部分が爆ぜ、巨木が倒れる。

衝撃波で後ろの木々もへし折り、吹き飛ばしていった。

さすがに母ほどの範囲ではなかったが、いい線行ったのではないか?

期待を込めて母に向き直ると、母は満足そうに俺の頭を撫でてきた。

繊細で優しさを感じる撫で方。

照れくさいけど、嬉しいな。


遅くなったけど紹介する。

これが俺の母。

人間のものに似ているけど、遥かに大きく頑強な手。

それに相応しい、屈強とかいう言葉を置いてけぼりにするような体つき。

全身はグレーの体毛に覆われている。

まあ、早い話がゴリラだ。


対して、俺は普通に人間。

一応元日本人だけど、記憶はぼんやりとしている上に年々薄まってしまう。

今は関係の深かった相手のことはある程度思い出せるが、いつまで保てるかはわからない。

まあ、前世ではきっちり死んだので、割り切るべきなんだと思う。

見た目的には黒髪黒目の純日本人で、目鼻立ちは良い方だと思う……実はかなり。

特別筋骨隆々ってわけではないけど、力は有る。

前世と違ってこの世界は、コツさえ掴めば人外の力を発揮できるんだ。

限界はあるけどね!!!

赤ん坊の頃に生みの親が、俺をこのゴリラな母に預けたんだけど、あまり覚えてない。

元の母親らしき人の姿は覚えているけど、黒髪黒目の褐色美人だった。

たぶん母似だね、俺。

やったね!

俺の歳は、多分まだ15,6だと思う。

一年が365日とも限らないし、面倒くさいから数えてない。


今は母に狩りの技を教えてもらってた。

日々努力はしているけど、実戦は早いようだ。

さっきはうまく行ったけど、やっぱり俺はまだまだ母の領域には踏み込めていない。

以前、翼を広げたら10メートルはありそうなドラゴンが喧嘩を売ってきたことがあったが、母は難なく叩きのめしていた。

俺がお肉を煮込む間に……

この森ではあのドラゴン程の強敵は全然いないし、戦わなくてもあれに俺は勝てないとわかる。

そんな化け物を軽くひねるのだから、やはり母は強い。

だが、それ以上に優しいのだ。

俺に接する態度は、その姿に似つかわしくないほどやさしさに満ち溢れているし、ドラゴンの件だってあれは喧嘩を売られて仕方なく買っただけだ。

あいつはどうやら、神聖な森の中に人間がいることが許せなかったらしい。

言ってしまえば、残念だけど俺のせいになる。

それでも止めは刺していないし、必要以上に痛めつけもしていない。

その必要もないほどだったしね。

俺も早く一人前になるため、日々走り込みと筋トレを行っている。

ついでにあの、気のコントロールも。

気という名称が正しいかは分からないが、とにかくこれは重要なものだ。

母も使っているらしい。

感覚で理解するので名前は必要ないとのことだ。


こうして、俺と母の日常は続く。

お話の導入って難しいものですね……

できるだけ情報を詰めつつも、不快にならない程度に、そして何よりお話の雰囲気をわかってもらおうと心掛けました。

それでは、また近いうちに投稿すると思います。

その時はどうぞよろしく!!

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