3話 旅立ち
「あなたのお名前、教えてほしいな!」
「その前にいい加減立ったらどうだよ?あたしはラレア。ラレア・オンフィールドだ。ほら」
「あっ、ありがと・・・私はね、大綱真世って言うよ!真世って呼んでね、ラレアちゃん」
差し伸べられた手を今度こそ取りつつ立ち上がって、いたるところについた砂埃をはたきながら簡単に自己紹介をしあう。
「ちゃん付けは勘弁してくれよな・・・呼び捨てでいいぜ、マヨ」
「呼び捨てよりラレアちゃんの方が可愛いよ」
「チッ・・・まあどっちでもいいや、さっきの獣人の仲間が来る前に離れようぜ。何人か逃がしたんだよ」
そういいながら、ラレアはいつの間にか元の姿に戻っていたバイクにまたがる。
「そだね・・・あの人?人なのかな、怖かったから、当分会いたくないね・・・」
「あいつらも一応、人で合ってるぜ。まあ、この付近の国の住人じゃないがな」
「へえ・・・ところでさ」
バイクの後部座席に座りつつ真世は問う。
「ヘルメット、ないかな?」
「いるのか?」
「被らないと危ないよぉ」
「あたしはコイツの運転には自信あるぜ?」
「万が一があったらどうするのさ」
「しゃーねえなあ、あたしの貸すよ、ほら」
「それじゃラレアちゃんが」
「うるせえ!置いてかれたいのか!?」
「ラレアちゃんがいいならそれでいいですぅ!」
「ったく・・・じゃあ行くぜ?」
「おっけーい!」
少女二人を乗せたバイクは、夜風を切って荒野を駆けるーーー
その頃、もう一人の異世界の訪問者が目覚めようとしていた。
「んぅ・・・んぐ、ん・・・ふわぁー・・・」
「気持ちよさそうにねてたなあ、お嬢さん」
「え・・・?ふぁ!?どちらさまで!ここはどこなのでしょうか!温かいお布団ありがとうございます!」
「落ち着け・・・色々聞きたいのはこっちも同じなんだ」
見知らぬ場所で目覚め、見知らぬ中年の男性が目の前にいたのなら誰でも驚くだろう。圭衣も当然驚いた。
「あっ・・・えっと、すみませんでした」
「まあしょうがねえよな、起きたら目の前に知らねえオッサンだもんな」
ベッドの横で椅子に座った男性は、そう言いケラケラと笑う。
。
「その、質問、してもいいですか?」
「今色々話してもいいんだが、夜中なんで皆寝ちまってるんだよな。連中が起きるまで、お前さんも寝ててもいいぞ」
「今夜だったんですか・・・おじさんは眠られないのですか?」
「あんたにゃ失礼だが、どこの誰か分らんでな、交代で一応見張ってることになってる」
「そういうことでしたか・・・では、お言葉に甘えて・・・」
圭衣は、不安になりながらも、結局気持ちよく眠るのであった。