表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

第二話

 体長は3mほどでしょうか。ハーブはイルカに詳しくありません。良く見るタイプのイルカ、バンドウイルカじゃないかと勝手に判断しました。

 イルカは、小太郎と名乗りました。

「コタロウ、小さいに、太い、一郎、次郎の郎で、小太郎だよ。よろしく。アンタの名前は?」

 小太郎と名乗ったイルカは、どうやら漢字にも精通しているようです。

「あ、オレはハーブ、ハーブだ」

「ハーブハーブ?変な名前だな」

「いや、ハーブだって。ベタな間違いをするんじゃない。いやいや、違うぞ。問題はそこじゃない。オレは今、夢でも見ているのか?それともここはあの世か?」

「ああ、ハーブね。スマンね、間違えて。

 夢じゃないよ。それにあの世でもないよ。ここは地球の上には違いないよ。オレの見たところ太陽も同じだし、月も上がってた。星も見てみたけど、ちゃんと北斗七星があったぞ」

「いやいや。地球のイルカは葉巻を吸ったりしないし、空を飛んだりしない。それに、しゃべったりもしない。違うか?」

「それは認めよう。ただひとつ訂正するとな、オレはしゃべっている訳じゃない。精神感応、いわゆるテレパシーってヤツさ」

「テレパシー?そんなアホな」

「信じる信じないはアンタの自由だけどな。じゃあ、オレがここにいるのはどう説明する気だ?アンタが言った通り、葉巻を吸ったり、空を飛んだりするイルカがいるんだぜ。テレパシーぐらい信じろよ」

「オレの夢。もしくは妄想」

 ハーブは断言しました。

 小太郎は黙ってハーブに近づくと、いきなり彼を尻尾ではたきました。

「ズェッ!」

 変な声を上げてハーブは転がり、呻き声を上げました。

「な、夢じゃないだろう?」

「他にやりようはないのかよぉ!」

 ハーブは激しく文句を言いました。しかし、どうやら小太郎と名乗るイルカが彼の夢でも妄想でもないことは理解しました。

「判った。とりあえずお前のことは信じよう。コタ」

「急に馴れ馴れしくなったな」

「オレのことも馴れ馴れしく呼んでくれていいぜ、コタ。まぁそれはそれとしてだ。何があったか教えてくれんだろ?」

「驚くなよ」

「何を今更」

「海とな」

「うん」

「陸がな」

「うんうん」

「ひっくり返ったのさ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ