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ほう。今何でも願いを叶えるって言った?

「はぁーあ」


付き合いたいと思っていた女の子に3回目のデートで告白、玉砕した


サトルは大きなため息をつきながら高台から街の景色を眺めている


「良い事ないなぁ、俺の人生」


でも自殺をする勇気も無ければ、俺にはまだやれると未来に希望を抱いちゃったりしているのだ


帰ってふて寝でもするかと坂道を下る


途中で綺麗な毛並みの猫を発見、こういう黄昏たいときって構いたくなっちゃうよね


猫はきれいな目でこっちを見ている


「なぁ。さっき景子ちゃんに振られちゃったんだ、俺」


「知ったこっちゃないか、あはは」


あまり野良猫を触るのはよくないかなと思いながら手を伸ばす


「あれ、嫌がらないんだ」


”ま、別に今機嫌悪くないから許してあげる”みたいな顔をしている。かわいい!


撫でまわしていると少しは気が楽になった


「ふぅ」


さて、そろそろ行こうかなと思った矢先、エンジン音が思わぬ大きさで聞こえてくる


え?


気づいた時にはもう遅かった。トラックが突っ込んできている


とっさに猫を抱きかかえた


ドン!




この後警察、救急車が集まったが、事故現場に居合わせた人の証言によると、轢かれた青年は不思議な光に包まれて消えてしまったらしい





「・・・うーん」


サトルは目を覚ますとその場の状況が理解できなかった


「え、ここどこ?」


何も無い真っ白な空間にいる


「目が覚めたようですね」


気づくと目の前に白いベールに身を包んだ、見るからに女神が立っていた


「は、はじめまして・・・」


「ふふ、はじめまして。そんな事言われたのは初めてです。あなたは先ほど命を落としました」


「やっぱり、そうなんですか?」


「ええ。でもここは天国ではありません、私の力でここに来てもらいました」


「へ?」


女神の足元からさっきの猫が姿を見せる


「あ、お前あの時の猫!」


「そうです。あなたが命をかけて助けてくれた私の従者です」


「女神の、従者?」


「はい。私がちょっと目を離したすきにたまたまそちらの世界に遊びに行ってしまって。結果あなたを死なせてしまいました。ほんとに申し訳ありません。」


「はぁ。全く自覚ありませんけどー、これから僕はどうなるんですか?」


「ここは生と死の狭間の世界。つまりここからはどの世界にも行くことができます。あなたが望むのであれば従者を救ってくれたお礼として何か1つ、願いを叶えましょう。そしてこの空間からは出て行っていただきます。本来いるべきではない人間があまり長くいるのはかなり良くないので」




「ほう?」


「なんでしょう?」


「いま、何でも願いを叶えてくれるとおっしゃいましたね?」


「そ、そうですね、1つだけですけど」


女神の身体を舐めまわすように眺める


サトルの頭の中にはアレな妄想がビッグバンのように広がっていた


いやいや待て! 一時の欲望のせいで、たった一つの何でも叶う願いを無駄にしてはいけない!


天使と悪魔、いや本能と理性が殴り合いをしている


「うー、決めた!」


「さぁ、願いを!」


「僕を誰にも支配されない、屈しない、自由な人間にしてください!」


「・・・何ていうか、抽象的ですね」


「もっとシンプルで最強な願いにしても良かったんですけど、あまりに思い通りになる人生もおもしろくないかなって。告白すれば全ての女の子がオッケーしてくれる人生も、それはそれで味気ないというか。偶然だけど、振られたからこうして願いが叶えてもらえるわけで。」


「なんとなくわかる気がしますが、どういう能力を与えればいいのかわかりませんね、、」


「そうですねぇ。何ものにも不条理を押し付けられない、大切な何かを守れる、そんな強さがもらえれば良いかなって思いますけど、細かい所は女神様におまかせします。どういう風になるのかわからないんで。」


「わかりました。やってみましょう」


女神の手から青い光が照射される


体がほんのり温かくなるのを感じる


しばらくすると照射が終わる


「これで、私なりにあなたの願いに近い力を授けました。」


「ありがとうございます。楽しみにしています」


ここで具体的にもらった能力を聞いた方が良いと思ったけど、なんとなくやめた。


「では、ここから出ていただくのですが、どうしますか? 元の世界でも良いですし、今なら好きな世界に行くことが可能ですが」


「じゃあ・・・」


「じゃあ?」




「そのたわわな世界に行きまーーす!!」


こんな奇跡めったにないんだ。どうせ1度失った命、2度失おうと一緒だ!


女神様のたわわにダイブする



な、なんだこれは!!


この柔らかさ、まさに神の領域


ほどよい体温、包み込まれるような大きさ、かといって程よく弾力を残し、サトルのダイブを受け止める。あまりの心地良さに何も考えられない。女神のたわわには煩悩すら除去する力があるとでもいうのだろうか!




「・・・んー!!////」


女神様の体がプルプルしているのが伝わる


「この・・・へんたーい!!!」


「ぶぅーー!!」


頬を思い切りぶたれ、ふっとぶ


「う、うわぁああーーー!!」


そのまま亜空間に落ちてしまった




※不定期更新です

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