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『プロローグ』跪き奴隷の様にオレに乞う女

 この物語は完結しています。

 プロローグを含めて全6話構成。

 毎日一本ずつアップして日曜日に最終回がアップされます。

 最後までお付き合い願えれば幸いです。


既にアップ済み....『プロローグ』跪き奴隷の様にオレに乞う女

6月08日21:00『散らされたブラウス、剥がれたスカート』みーかの貞操とココロの傷

6月09日21:00『女は廊下や教室で良いと言う』転生の結末と報酬

6月10日21:00『怯えるみーかと火を吹くオレのリボルバー』水族館で大人の火遊び

6月11日21:00『オレのハーレムと夜の生活』俺は自分でカラダを動かさない

6月12日21:00『そして俺は全てを手に入れた』謎の女と全てを失ったオレ

『プロローグ』跪き奴隷の様にオレに乞う女


「お願いなんでもする。このカラダも好きにしていいし、孕ませてもいい、子供だって産んであげるわ」


 放課後の学校。

 ここにオレ専用に用意させた執務室だ。

 オレは制服を意図して気崩し、偉そうに足を組んで黒いソファーに座っている。

 目の前に低い机を挟んで同じソファーがあるが、彼女はそれに腰かけずにオレの脇で土下座してそう懇願したのだ。

 しかし、オレはそれをあたかも頭の上から踏み付ける様な言葉で切り捨てる。


「あー。オレそんな軽々しくカラダを許す汚れた女とか無理だし、子供とかこの歳でもちたくないし、お願いするのに上から目線なその態度も嫌だし、そしてなにより、自分から何もしない女とか無いわぁ、オレ動くのメンドウ」


 顔面ヒエラルキー底辺のオレと上位であろう女子との会話。

 さあ、どうする? どうでる?

 オレは思いつく限りの言葉で煽ってやったんだそれなりの芸を見せてもらわないと割に合わない。しかし、煽りはしたがオレの言葉に嘘はないし、事実そう思った。

 彼女はそんなオレの言葉を受けてキツめの瞳をギュッと閉じる。

 キツめといっても造形にマイナスに働く様なモノでは無い、その瞳は彼女の魅力をより高めるモノだ。つんと小さく主張する鼻の下、やや薄い唇は更に薄く伸び、歯を食いしばったのだとオレに伺わせる。

 オレに金や権力や能力といったモノがなければ。その一つでも欠けていたならば、彼女はオレと知り合おうともしなかっただろうし、オレを見かけても嫌そうに顔を歪めるだけで、ともすればオレに、理不尽な行いを働いていただろう。

 オレは顔の出来一つで態度を変えるこの世界が大嫌いだ。ブサイクでも手入れはしているし、努力は怠らないがそれでも底辺から這い上がる事は出来ない。金があるから整形も可能だが、なぜ、このオレが、整形しなきゃならない。偽りの仮面を張り付けてそんな媚びる様なマネをしなくてはならない。

 そういう訳で、そういう考えで、オレはここにくる女の顔が良ければ良いほどいぢめてやる。


「私に経験はありません。このカラダは汚れていません。納得してもらえるまで喜んで腰を振るいますので何とぞお願いします」


 おーおーおー。

 こう言うことになると思って毎日鏡の前で練習でもしていたのか?

 噛まず、震えず、口ごもる事なくはっきりと悲壮感を感じさせない様細心の注意を払っているのが見て取れた。なかなかの演技だが気にいらない。演技ではなく本心でそう思わないのであればオレは満足しない。そんな事有り得た試しはないのだが、もうすこしこいつをいぢめてやろう。

 意図して30秒心の中で数えてからオレは口を開く。


「ふむ」


 YESともNOとも言わない所が味噌だ。

 オレは経験からこうすればもっと面白いものが見られると考えそれきり言葉を続けず沈黙を守る。


 かちっ、かちっ、かちっ、かちっ……。


 会話が途切れた為耳は徐々に澄まされ時計が時を刻む音だけがこの部屋に響く。

 放課後特有の生徒の喧騒も強固な防音に遮られてこの部屋には届かない。


 どれだけの時が刻まれただろう。

 彼女は突然自分の腰に手を当てる。

 そのままブラウスごしに手を撫でるように滑らせスカートに親指を掛ける。

 そして、おもむろにスカートをずり下げーー。


「おいっ、ブスやめろ、汚いモノ見せようとするな! もういい。始めるから手を出せ」

「うっ、ならシャワーにっ。え? あっ! はいっ!」


 裸踊りでも始めようと言うのか、突然スカートを脱ごうとする彼女をオレは慌てて止めた。

 そんな、言葉を受けた彼女は、落ち込み悲観しとうとう瞳に涙を浮かべるがはっとして目を輝かせると言う面白い変化を短時間でやってみせたが、この結果はオレの望んだモノとは違う。

 想定外だったために声を荒げてしまった。それにブスは無いわ。何の捻りもない罵倒などオレの趣味じゃあない、格好が悪い。そして、「始める」という言葉が一番の失敗だ。もうオッケー取れたと思わせてしまったのでこれ以上いぢめてもおもしろくはないだろう。

 それでもダメ元でその希望を打ち砕こうと試みる。

 

「勘違いするな。報酬は後で貰う。準備や打ち合わせを行うだけだ」

「はいもちろん! 喜んで尽くします! ありがとうございます!」


 効果なかった。むしろ逆効果だ。

 彼女は元気一杯でオレに両手を突き出す。

 まだ確約したわけじゃあないんだがもうその気になってやがる。

 ホント油断したなぁ、もっといぢめるつもりだったのに。

 やっぱりやめたとか言ってみるか?

 無いわぁ、クールじゃないし、ペース崩されたから尚更だ。

 気分が萎えたのでとっとと終わらせてヤることヤっちまう事にする。


「目をつむって」

「はいっ!」


 彼女が目をつむったのを確認してからオレは彼女の手を取り、指を絡ませ目をつむる。

 そこに移るのは闇で、明るさを多少感じる事は出来るが何もない。

 いやまあ当たり前なんだが。


「接続……。同調……。読込……。予測……。投影……」


 オレはポツリ、ポツリとそう呟きながら能力を発動させる。

 それから2、3秒遅れてオレの視界に3枚の画像がゆっくりと浮かび上がる。

 一枚は幼い彼女、一枚は今の彼女、最後のは成長しきった時の彼女だ。

 能力によって彼女とこのイメージを共有しているので彼女にも同じように見えているはずだ。

 

「きゃっ、裸!」


 最後の一枚が裸だった為か彼女がそんな叫び声をあげる。

 一度能力が発動してしまえば突然大声を出されても何の影響もない。

 が、これからどうやって説明しようかと考えていたイメージは拡散し、心情にも影響がある。

 ホント何しに来たの面倒くさい。


「おいおい、オレの前で裸踊りしようとしてた奴が、今さらこの程度の事で驚くの?」

「は、裸踊りって。きゅ、急だったし、不意をつかれただけです。コレはコレ、ソレはソレよ」


 頬を染めてわたわたとそんな事をのたまう彼女。

 本当にこいつ覚悟出来てるんだろうか?

 ぷち整形間隔でほいほいオレの元へやってくるこう言う脳みそぱっぱらぷーな女には、毎度うんざりさせられる。

 だからオレはため息を吐いて話を進める。


「はぁぁぁ、医者に見せるようなものだと思え。顔以外にも全身の骨格や肉付き、色や形なんかも変えられる。もっとも先天的なモノだけで、後天的なモノにには干渉できない。喰いまくれば太って大福重ねたような腹になるだろうし、痩せすぎれば触れれば崩れるようなカラダにもなる」

「へえ、全身も変えられるのね。美容管理は得意だから大丈夫よ」


 美容管理が得意って事は彼女は見た目に自信があるということだろう。

 それで何故、そこから何故変えたい等というのかオレには分からない。


「それでどこを変えたいんだ?」

「全部よっ!」

「はぁぁぁ!? 全部ってお前……」


 まあ、凝りたがる奴は凝りたがるし、過去に何回も同じような奴らを見てきたが大抵は失敗する。人間が人間を作るのに一発で上手くいくわけが無い。

 オレは、悪い事を言わないから辞めておけと忠告しようとするが。


「だ、ダメ、ですか?」


 あざとく上目遣いにそう問いかけられてオレは忠告しようなどという考えを取りやめる。

 もう知らん。


「やり方教えるから勝手にしてくれ、ただし制限時間は一時間、時間が画像の右上に見えるだろ?」

「あ、もう始まってる! はっ、早く教えてください!」

「お前が自分のなりたいイメージを思い浮かべればそれが反映される。為しにぶっといまゆげをイメージして見ろ。分りやすくするために出来るだけ太めにな」

「はい、まゆげまゆげ……」


 オレの言葉に頷く彼女の言葉からしばらくして、ぼんっと二センチぐらいのぶっとい猫じゃらしの様なまゆげが彼女のイメージ画像に現れる。過去、現在、未来のイメージ画像全てにそれは反映されている。


「ぶふっ!」

「自分みて笑うなよ。で、まゆげ元に戻れとイメージすれば、まゆげが一つ前のものに戻る。まゆげリセットで最初の状態に、全部最初の状態からやりなおしたいときは全リセットで可能。途中で保存も出来る。やり方は、保存スロット1で保存。逆に読込みは、読込スロット1の様な感じで可能で3スロットまで。操作は大体こんな感じにイメージすることで行う。分からない事があったなら完結にまとめた説明書を机の上置いてあるからそれを見ろ。もう目を開けても大丈夫だし、手を放しても大丈夫だからソファーに座ってじっくりやってくれ」

「あ、はい」


 長い説明で到底全部頭に畳み込めるものではないが、刻一刻と制限時間は減っているのだ。普段より正確に頭の中に入ったのだろう。「分かったか?」というオレの対し「はい、大丈夫です!」と彼女は答える。

 ここでオレは手を放し、少し彼女をいぢめてやる。


「んじゃスタートな!」

「えっ、もう始まってたんじゃ!?」

「今のは説明とそれに対する制限時間。お前が分かったといったから終わらせた」

「そ、そんな……! い、いえ分かりました。何でもないです」


 そういって、目を開き慌ててソファーに座って作業に取り憑く。

 まあ嘘なんだけどな。本当は制限時間なんてない。

 このタイマーはオレの自由に出来る。

 でもこうでもしないといつまでも決まらないだろうからな。

 今回は、綺麗で可愛い女の子ということで1:1だが、普段はセミナーの様な感じで以来主を集めて流れ作業で行ったりしている。

 オレよりブサイクな男は率先してオレの能力を使ってやっている。もちろん見返りは求めない。求めなくても有りったけの財産を持ってくるがーー。

 ともあれ、オレはブサイクな男に対しては優しいが、余罪や借金がある人間には能力を使わない。そんなやることやって逃げるのに利用されても困るからな。徹底的に調べさせてからオレは能力を使う。

 目の前の彼女の情報もあるが、オレは判を押すだけで読みはしない。名前なんて覚えたくもないしその価値もない。オレはオレの望む大切な人との思い出で自分の記憶を埋めたいから。だから、ここに情報があるということは能力を使っても問題が無い。というところまで人に調べさせている。


 大切な人、それはもちろんオレの目の前にいる彼女ではない。

 もう一人最初からずっとこの部屋にいていままでずっと目をそらす事なく黙ってオレの隣に座って見ていた女の子。

 この子の名前はマチマイマイミイカ。オレの幼なじみで、オレの義理の妹で、オレの同級生だ。ミイカは友人からみーかやみぃかと呼ばれている。オレも彼女の友人であるとは信じたいのでみーか呼んでいる。

 そんなみーかの方が妹なのは誕生日の関係でオレより少し遅いからだ。

 何故みーかがオレの義理の妹なのかーー。

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