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納得できるできないの問題じゃない

少しずつマイペースに・・・。

書きたいことが多すぎてまとめられないorz


中庭には既にマナミと一人の男性がいた。

何かを探しているようだ。


うん、ゲーム通りのイベントだな。


「どうしたんだ?」

「おや、殿下かい?」


俺に初めに気がついたのは近くにいた男性パーシヴァルの方だった。暗い青の髪に、紫の瞳とくれば冷たい印象になりそうだが、その表情は柔らかく柔和な印象を持たせる。

彼の話し方は王族に対しては軽い感じに捉えられるが、あくまでここ学園内での対応だ。

城など公の場であれば、しっかりとした礼儀で対応している。それは俺も同じだが。

何より妹の婚約者ということもあり、学園で軽口を叩くくらいには俺とパーシヴァルの関係は良好だ。

マナミは少し奥の芝生にいたが、俺に気がつくと近くに駆け寄ってきた。


「実は彼女が髪留めを落としてしまったらしくね。ちょうど僕が通りかかったから探すのを手伝っているんだよ」

「そうなんです。申し訳なかったんですけど、私一人じゃ全然見つからなくて・・・」


見ればマナミがいつもつけている花の飾りがついたヘアピンがなくなっている。

これもゲーム通りだ。

本来のイベントであれば、ここで俺も一緒に探そうと言って3人でヘアピンを探すことになる。結果パーシヴァルがヘアピンを見つけ、優しくヒロインの髪につけてあげるというものだ。

ここで王子の存在必要かという疑問は持ってはいけない。なぜなら乙女ゲーム仕様だから。いい男達が自分の為に動いてくれるという点が良いのだろう。

だが、イベント通りに一緒に探す道理はない。

いくら初めのイベントとはいえ、義理の姉になる可能性は1%でも潰しておかなければ。


「そうか。なら大勢で探した方が良いな。近くにいる者も呼んでこよう」

「ぇ」


俺がそう言うとマナミは驚いた表情をして俺を見ている。

普通あんな小さな物を探すんだったら人は多い方が良い。ゲームでは簡単に見つかっているけど、ここは中庭とはいえ結構広いからね。

俺が来た道を戻ろうとすると、誰かが俺の腕を掴んで止めた。

視線を向けるとマナミが俺の腕を掴んでいる。

俺はそれに眉をひそめる。視界の端には、いつもにこにことした笑顔を崩し軽く目を見張ったパーシヴァルが見える。


「いえ、そんな大事にすることでもないですし!あの、3人で探せばすぐに見つかると思うんです!」


そんな俺たちの様子に気づかず、マナミは俺の腕を掴んだまま訴える。


いや、俺も探すとか言ってないし。なに勝手に3人で探すことにしてんの?

ってか、俺一応王子なんだけど。王子に落とし物探させるとかどうなの。王子に地面に膝つかせて探せってか?お前は大統領にヘアピン探せって言ってるようなもんだぞ。わかってんの?

と、言いたいことは色々あるが、まず一番に言わなければいけないことがある。


「・・・先日も思ったのだが、男性にむやみに触れるのは淑女としてどうかと思うが」

「え?でも、触れるっていっても腕に触れるくらい・・・」

「貴方のいた世界では知らないが、こちらでは、特に婚約者のいる者に異性が触れることはあまり好ましくない。というより、婚約者以外が触れることはあらぬ疑いを掛けられることもある。婚約者がいない者でも同様だ」

「疑いってそんな・・・ただ触れただけでそんなこと言われるなんて・・・納得できません」

「納得できるできないの問題じゃない。とにかくむやみに男性に触れないことだ」

「そんな」


まだ何か言いたそうだったが、これ以上話しても時間の無駄。

もう一度、人を呼びに行こうとするとパーシヴァルが待ったをかける。


「殿下、マナミさんもこの近くで落としたのは確かだと言っていましたし、ここは私と彼女で探しますよ。他の者を呼びに行く時間の方がもったいないですし」


確かに人が居ても良さそうな時間ではあるが、中庭には俺たち以外の人の姿はない。人を探しに行っている間に見つけられる可能性もある。


「・・・わかった。俺も一緒に探そう」


俺は仕方なく3人で探すことを選ぶ。

マナミはまだ納得がいかない様子だったが、俺の台詞に嬉しそうに「じゃあ、私はあっちを探してきますね」と言って先ほどまでいた場所に駆けて行った。

残されたのは俺とパーシヴァル。先ほどの台詞はマナミを庇うような言い方にも捉えられるが・・・。

俺が少し考えているとパーシヴァルは「もう少しここに慣れていただきたいですね」と苦笑した後、ヘアピンを探すべく近くの花壇を探し始める。

ゲームでは相手がどのように思っていたかは出てこないが、とりあえず現段階ではそこまで好感度は高い様子はない。先ほどの台詞も俺を思ってのことだろう。





ヘアピン?

あぁ、ちゃんと「俺」が見つけて、「手渡し」で返しておいたよ。

マナミは一瞬キョトンとした後に慌てて受け取っていたけどね。

義理の姉フラグはなんとしても阻止せねば!

もちろん一番は俺の「エリオットルート」だけどな!!


皆さん、ヒロインの正体(?)やら姉の存在を色々考察していただいているみたいで、書いている方として嬉しいですね。

今後もマイペースに書いていきます。

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