〜〜〜〜前編〜〜〜〜
第1話 天使と悪魔
この世の中には『人間は時には悪魔となり、時には天使にもなりうる』という都合のいい言葉が存在する。だがよく考えてみて欲しい。
本当にそうか?天使?そんなものこの大地には居ない。
まずまず天使として生まれてくるのではなく。悪魔としてこの地に生まれてくるのである。ついこの間までの僕は、そんなことを考えすらしなかった。
小鳥の囀りが聞こえる。僕は、いつものように布団の中で、目を覚まし少しの時間スマホをいじる。そして、自家製のカフェオレを飲む。
毎日同じ事の繰り返し、この繰り返しこそが僕にとっての生き甲斐。
『行ってきまぁす』と小声で言うのと同時に扉が閉まる。
そんな幸せを感じ取りながら学校へ向かう途中
突如として、僕の幸せは崩れ、消え去る。
目の前に悪魔?と天使?が同時に現れる。
悪魔:『おい、天使こいつが将来の?!.@&か?』
天使:『そうですよ。こいつが将来の?!.@&です。』
何を言っているのかさっぱりわからない。何よりも目眩がする。吐きそうだ。仮にこいつらを本当の天使と悪魔としよう。それは、受け入れる。
ただこれまでの幸せがこいつらに奪われそうな予感がして吐きそうなのだ。
案の定その予感は的中する。
悪魔:『おい人間俺たちは、これからお前に同行することになった。』
天使:『この気性の荒い"モノ"もいますが私たちを今後ともよろしくお願いしますね 』
最悪だ。僕が話す前に勝手に話しは進む、そして何故かこの天使からは、圧を感じる。
何か2人で揉めているようだが、そんなの今はどうだっていい。冷静になって、聞くことがある。
僕:『まず君たちは何者なんだい?』
他にも色々聞きたいことはあるが。物事には、順序というものがある。
悪魔:『みてわからねぇか?』
天使:『私たちは、見ての通りでございます。』
何度かこの質問をされたことがあるのだろうか、、、
2人とも手慣れたように、自分たちの口から発さずとも分かるでしょと言いたげな口ぶりを見せた。
これ以上この事について言及しても何も意味なさそうだ。
じゃあ次にだ、
僕:『君たちの名前は何だ?』
絶対に嫌だが、もし仮に一生こいつらと生活するのであれば名前ぐらいは知っといたほうがいい。
悪・天:『俺、私たちに名前はない、ないですよ。』と2人揃えて喋る。少し意外だ、悪魔といえば"ルシファー"、"サタン"だとか天使で言えば"ミカエル"、"ガブリエル"だとかそれぞれに名前がついているのだと思っていた。が2人の話を聞く限り案外そんなこともないらしい。まぁ無いなら無いでそれでいいわざわざコイツらのために名前を考えるのも面倒だしな。
じゃあ最後にもっとも大事な質問をしようと思う。
僕:『何故僕の目の前に現れた?そして何故僕についてくる必要がある?』
2人は顔を見合わせた。どう話そうか迷っているようである。
それから少し遅くれて、天使は言う。
天使:『最初の質問ですが、運です。』
は???僕は完全に思考が停止した。運だと? 何かの冗談だろ?
僕:『はは、天使も冗談を言うんだな!、、』と僕は笑えない冗談であることを願いながらそう言ったが。
その願いは、音速よりも早く感じるスピードで、否定されれた。
天使:『いえ、冗談では無く。本当の話です。』
僕は膝から崩れ落ちた。
そんな僕を横目に天使は続ける。
天使:『そして二つ目の質問ですが、まだ答えられません。』
まだ答えられないだと?ふざけるな、たまったもんじゃ無い。
僕は得体も知れない通称天使と通称悪魔に拒否権もなく、まるでそれが運命であるかの如く、これからさき一生ついて来られるのか?と頭中で同じことをリピートしながら考えた気がするが全ては意味ない事であると一瞬にして理解する。
付いてくる、やっぱり付いてくる、、、しかもうるさい。そろそろキレようかと思っていた時。
目の前に同じ学校の制服着た人を見つける。同じクラスの花音がやってくる。苗字は基本覚えない主義なので、正確には覚えていないが確か北条だった気がする。そんなこんなで歩いてるうちに花音の目の前の信号が赤になる。
マズイ、非常にマズイ、今の今まで人に合わなかったせいか何も気にしていなかったが。天使と悪魔がいるのである。早く隠さなくては、、、
悪魔:『何をそんなにあせってるんだ?』
と悪魔だからかは分からないが僕の心の声を正確に読み取る。
僕:『もしお前らの姿を人に見られたらどうするんだよ!!!』と僕は小声ながらも少し強めの口調で言った。悪魔は何言ってるんだ?みたいな顔でこちらを見てきたが、天使は僕の言いたい事を汲み取ったのか
天使:『それなら大丈夫ですよ。私たちの姿は、私たちが認めた人にしか見えませんから。』と答えてくれた。
悪魔はそう言うことか!と今理解したようで、何か難解な問題を解いたような満足げな顔をしている。本当に呑気なやつである。
だがこれで、一安心だ。少なくとも悪魔と天使を引き連れている。やばい高校生がいると大騒ぎになることは無さそうだ。
そんなこんなで、赤信号で止まっていた。花音と合流する。
花音:『秀おはよ、なんだか朝から調子悪そうだね?大丈夫?』と気弱ながらも心配の声を掛けてくれる。
『うん。全然大丈夫。』とこいつらの存在を悟られないように嘘をつく。もし仮に見えていないとしても僕の発言や行動で花音に心配をかけるのは、ごめんである。
それからは特にこれと言った事は無く。通学路を進んで行き天使と悪魔の2人?を連れて無事に学校に着くことができた。
教室に入るそこで僕と花音は、いつも別々の席へ向かう。花音は何人かの友達と話しているようであるが僕にそんな友達はいない、しいて言うのであればそれこそ花音ともう1人
『おー~い!秀!おはよ‼︎』そう勇太である。
勇太とは、小さい頃からの親友である。包み隠さず言うのであれば、タイプが海王星と太陽ぐらい違うのであるが小さい頃からの縁なのかとても仲がいいと僕は思っている。勇太は、運動に勉強、そして圧倒的リーダーシップに困ってる人は絶対に見過ごせないまさに主人公のような性格をしているやつなのである。運動音痴で捻くれ者の僕とは似ても似つかぬ存在だ。正直勇太に憧れている部分がある。そんな事を思っていると突然悪魔が僕の耳元で囁く。
悪魔:『アイツからは何かやばい"モノ"を感じるぜぇ』
天使:『、、、』
何を言っているのかさっぱりわからない。
まずまずやばい"もの"ってなんだよ?そんな疑問を直接悪魔にぶつけてやろうとした時
キーンコーンカーンコーン、朝のチャイムが鳴る。それと同時に先生がきて、皆んな席に座り始める。まぁ所詮は悪魔の独り言だろと自分の中で軽く流し、朝のホームルームを受け始めた。
第2話 学校生活
ホームルームが始まると同時に席についた。
先生が何か喋っているようだがその言葉は
耳の右から入って左に流れていく。
その時間何をするかって?
いつもなら頭の中で自分の好きなアニメを流す。でも今日は、そんないつもじゃない。
"悪魔"と"天使"がずっと小さな小競り合いをしている。
たまったもんじゃない。また、一つ僕の中にある幸せが奪われていく。
(もうこれに慣れていくしか無いのだろか、、、)と考えても意味の無いことに時間を潰す。
そんなこんなで、ぼーっとしている僕の頭の外から、『日直号令』とちょっと気だるそうな挨拶で、声をかける先生。日直がそのまま『起立』と掛け声をかけると同時に、いつもと少し違う朝のホームルームが終わる。
勇太:『なぁ,1時間目って何だっけ?』と勇太が僕に話しかけてくる。今日は火曜日、たしか一時間目は、、
僕:『一時間目は、数学だよ』と教える
勇太『サンキュー!』
毎回この流れをしている気がする、、、
勇太とは長い付き合いだしこう言うのはもう慣れた物だが正直面倒くさい。
毎日、いや毎回同じ内容の質問に答えなきゃいけない。"わざとか"?と思う瞬間もある。こう言う所はいい加減直してほしいものである。
号令と同時に授業が始まる。
正直に言うと僕は頭が悪い。特に数学が大の苦手である。世の大人たちに問いたい。今後生活している上で、四則演算以外使うことはあるのだろうか?多分ほとんどの人は無いと答えるだろう。
ではなぜ勉強するのか。それは至って単純である。
"人類"が学ぶことをやめた時にそれは"人"では無くなるからである。と自問自答するがノートはまだ白いままだ。
先生:『おい』
僕:『・・・』
先生:『おい、秀』
僕:『・・・』
先生:『おい秀‼︎‼︎』
僕:『は、はぁい!』
先生:『ここ答えられるか?』
僕:『、、わかりません』
先生:『ぼぉーとしている暇があったらしっっっかりとノートを取るように』
僕:『はい、、、』
悪魔:『ブワァーハッハッハッァー』
天使:『実に滑稽ですね。先生のおっしゃる通りでございます。』
僕『くっ、、』別にそこまで言わなくてもいいだろうに先生も少し怒りすぎだろ。それにこの悪魔と天使も本当にムカつく奴らである。
キーンコーンカーンコーン
授業が終わり花音が近づいて来る。
花音:『さっきは災難だったね』
僕:『本当、いつもはあそこまで怒らないからびっくりしたよ』今とっさに口に出たがよく考えてみたらちょっと不思議に思えた。いつもであれば 気を付けろよくらいで済むはずなのに、、、
僕:『多分更年期なんでしょ』
花音:『アハハそうかもね!』と何気ない会話をしていたら。そこに勇太も来た。まさか、、、
勇太:『なぁー秀次の時間、何の』
僕:『体育だよ』
勇太:『おおー!すげーな秀!お前預言者か?』
言われなくても予想できる質問だったので、言われる前に答えてみただけである。本当に自分が同じ質問しかしていない事に気付いていないようで、思わず笑いそうになってさしまった。
勇太:『よし、じゃあ早く更衣室行こうぜ! 』
はいはいと答え教室を後にする。僕たちに続いて、全員が教室をでる。
体育が始まる。今日の競技は、バスケである。
ハズレだ。最悪すぎてトイレに行って時間を潰そうか迷うほどである。まあ結局そんなことをする勇気は無いのだけれども
先生:『じゃあ2人一組でペア組んで 〜』
僕のように友達がほぼいない人は、この言葉に苦しめられるだろうが僕は違うなぜなら、
勇太:『おい!秀一緒にペア組もうぜ!』
本当に毎回助けられる。勇太のおかげでこの最難関とも呼べるアップの時間をいつも乗り切れるのである。
試合が始まる。『僕はベンチでいいよ』と沢山 試合に出たいであろう陽キャどもにスタメンを譲る。そうあくまで譲る。
悪魔:『お前は、試合に出なくていいのか?』本当に余計な野郎である。
天使:『多分本当の実力を隠しているのですよ』と明らかに悪い顔をしながらニヤニヤとこちらを見て来る。多分悪魔よりもこいつの方が悪魔である。
悪魔:『あの勇太とか言うやつスゲェーな!』
これに関しては同感である。勇太の運動神経は、本当に人並みハズレている。
勇太が仕事を終えた顔でコチラへ向かって来る。
勇太:『ごめん秀、お腹痛いからトイレ行ってくるわその間試合に出てもらってていい?』
断りたい所だが、親友の頼みなので、断れない。
仕方ないここはいっちょかましてやりますか!
僕:『勇太お前が留守の間は俺に任せろ』と少し拗らせている言葉を述べてコートへと足を踏み入れる。
『秀パス』僕に絶好のチャンスが回って来る多分一生一度のチャンスであろう。
僕『いっけぇぇぇぇえ‼︎‼︎』
リングから鈍い音が聞こえる。見事に外した空気は最悪である。だからバスケは嫌いなのだ。
悪魔:『お前本当におもしれぇーなぁー』
多分文末に(笑)がついた話し方で喋りかけて来る。
天使:『おおーお見事!リングに当てる天才ですね!』こいつはナチュラルに煽って来る。本当にムカつく。そんな事をしている間に勇太が戻って来る。
最悪な体育が終わり教室へ戻る。そこで事件は起きる。信じたくは無いがそこには、人生最大の悲劇が広がっていたのである。
第3話 嵐の始まり
体育が終わり教室に戻った時見たくもなかったこれがきっと僕が経験するの中での人生最悪の出来事になるだろう。
クラスの女子:『きゃゃゃゃゃゃゃぁぁあ!!!』
クラスの男子:『マジかよ…』
…………………………………………………………
入学式の時である。
先生:『じゃあまず。私がこのクラスの担任になりました。高山 光輝です。"光輝"という名前が先生にしてはキラキラすぎるので、気軽に"高山先生"と呼んでくれ。』
先生の挨拶が終わりクラスにチャンスなのか
はたまた地獄なのかいわゆる"自己紹介"という
ものがいつ始まるのかと皆ソワソワし始めた。
高山:『まぁ、なんだお前らお互いの事あまり分かってないだろ。てことで、1番の阿部から自己紹介頼む。』
阿部:『お、俺ですか!?はぁ〜、分かりました。
え〜出席番号1番の阿部太一です。趣味は、漫画、ゲーム、音楽を聴く事です。よろしくお願いします。』
高山:『はい!拍手1番にしては、好調な滑り出しだ。毎年毎年一番の奴らはひよって言葉に詰まる奴が多いからなぁ〜』と高山先生がごちゃごちゃ文句を言っている中僕はものすごく焦っていた。
(まずい、まずイ、まズイ、マズイなんにも思いつかばない‼︎‼︎)この挨拶で1年間の全てが決まると言っても過言では無い(少しふざけたような自己紹介にするか?いやでもシンプルイズベストな自己紹介にするか?)正直陰キャな俺には、高難易度すぎる。ここは、他の奴らの意見を聞いてからにしよう。えーっと確か次は、勇太!そうだ勇太のやつを参考にしよう。
勇太:『初めまして!!星陽勇太です。この名前は親が朝日が昇ってくる時のように暗い所を明るく照らせるような子になって欲しいという願いを込めてつけてくれました!長々とすみません。趣味はスポーツです!』
クラス:『パチパチパチパチパチパチ‼︎‼︎』
流石勇太であるこれじゃあ正直何も参考にならないが自分も明るい気持ちでいけばどうにかなるのでは無いだろうかと少し心に余裕ができた。
無事に定型分のような自己紹介会で自分の番を乗り切り確かそろそろ、、おっきた。
花音:『初めまして、北条花音と言います。私は名前に音という文字が入っていますが実は音楽は大の苦手です!なので音楽があまり得意では無いよって方よろしければ後で声かけてくださぁ〜い!今年一年よろしくお願いしまぁ〜す!』クラスのみんなが少し笑っている花音も流石である。
高山:『よし、じゃあ次に学級委員と各委員会を決めてもらう。勿論余りも出るので強制じゃないが、、もしかしたら内申点があがるかもなー』
高山:『じゃあまずは学級委員長から。誰かやりたい奴いるかぁー?』正直僕はこれに少し時間がかかると思っていたがどうやらそれは僕の誤算だったらしい。
勇太:『はい!やります!』
みんな少し驚いていた。何故なら単純にめんどくさいからである。色々と会議に参加しないといけないし何よりもみんなの前で喋らなくてはいけない。でもまぁ勇太なら当然のことだった。
高山:『おし!よく言った!じゃあ次各々やりたい委員会を先ほど渡しておいた紙に書いてくれ。まぁ無い奴は先生への質問でも書いておけ。くれぐれも彼女いますか?などの誹謗中傷はやめてくれよ』いらん所に釘を刺してくる先生だが僕は既に決まっている。
高山:『おっ今回は図書委員会が一番最初に決まったか』ん?2人てことは、僕の他にもう1人誰だろう?
高山:『花音と秀お前ら男女だが2人でいいか?』
花音:『はい!問題ないです。』ちょっま僕が何か発言をする前に決まってしまった。そしてお互い目配せをし席に座った。
高山:『じゃあ最後だが。生き物係やりたい奴いるかー?。いやぁー先生も高校に入ってまで生き物係をつける必要はないと思うんだがどうやら学校の伝統らしくてな。結局みんなで世話する事になるし気負わずに誰かやってくれる奴いないか?』 『じゃあ私が、、』
高山:『確か小町香澄、、、だったよな?すまんなお前らが入学してきたばっかで先生も全員の名前を把握しているわけではないんだ。』
香澄:『いえ、全然大丈夫ですよ。それより動物の命を預かる事になるので宜しければ皆様にもお世話のほうを協力して頂きたいです。』
勇太:『勿論だ!クラスメイトの頼みだからな!
なんの動物を飼うかは分からんがみんないいだろ?』クラスのあちこちから"いいぞー""勿論!""当たり前だろ"などの温かい言葉が送られた。
高山:『うんうんいいクラスじゃあないか!さっき勇太が言っていた事だが。飼う動物は、ウサギだ。みんなしっかりと"責任"をもって飼うように』
…………………………………………………………
叫びの方向には、香澄が死んだウサギを抱えてその場に崩れ落ちていた。
第4話 冤罪
香澄:『.......』
何が起きているのかわからなかった。目の前で、さっきまで元気だったウサギがしんでる...?
多分みんなが最初同じことを思った。
クラスの男子:『香澄、が殺したのか...?』
みんな困惑していたが徐々に状況を理解し始め次々にクラス中から声が沸き上がる。
『香澄ちゃんが?』だとか『死体を持っているってことは、やっぱりあいつが...』とか言いたい放題であった。
勇太:『みんなやめろ‼︎まだ香澄が殺したって決まったわけじゃないだろ‼︎一旦話を聞いてみよう...
だめ、かな?』この声をきっかけに批判の声が収まるかと安堵した瞬間クラスの端から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
高山:『おい、香澄。お前がやったのか?』
香澄:『...やって..』
高山:『お前がやったんだろ‼︎』
香澄:『...やってない‼︎』
高山:『嘘つくなぁ‼︎じゃあ今その手で持っている物はなんだ?説明してみろ‼︎』
香澄:『それは...』
高山:『言えないんだろ?それはお前がやったからだよなー‼︎』
香澄:『...』
そしてまたクラスから批判の嵐が来る"予感"を感じる。外れて欲しい"予感"だったが見事に的中する。
『おい、聞いたか?理由答えられないらしいぜ』
『マジヤバくなぁーい?』『香澄さん嘘だよね?』『香澄ほんとのこと言えよ』『香澄命をなんだと思ってる』止まる気配のない悪言の嵐。香澄さんの目からはほとんど光が消えている。そして一つの言葉が香澄さんの理性を失わせた。
『てか、香澄が動物係やりたいって言ったんじゃない?』一瞬の沈黙の後また嵐がやってくる。『確かに言ってたかも』『そうだそうだ』と次から次へと喋る隙を与えずに言葉のナイフが投げられる。そして全員が気が済むまで悪言を言い終わった後"体"からいやこの"世界"から"心"が消えたかのようなこえで、香澄さんが言葉を発した。
香澄:『私はやってない....』
香澄:『みんなだってわかるでしょ。さっきまで一緒に体育してたじゃん。何で話を聞いてくれないの.....』この一言がみんなを冷静にさせた。
勇太:『そうだよ!さっきまで俺たちは、一緒に体育をしてたじゃないか!まずは、香澄さんに好き放題言ったことを謝ろうよ!』
『ごめん...』『悪かった...』皆んなが口々に謝罪の言葉を述べた。
悪魔:『ブワァーハッハ本当に人間は滑稽だな!』
天使:『えぇーまさかここまで酷いとは』何かを喋ったかと思えば解決する手段を教えてくれるのではなく。ただただ自分たちを馬鹿にする言葉だった。
僕:『...何が言いたいんだよ(小声)』
悪魔:『言わなくてもわかんだろ…』といつものように大まかな事しか言わない悪魔。
天使:『ハァー、今回だけ教えてあげましょう。私たちがあなた方を下に見るような発言をした訳を』
僕:『...早く言えよ(小声)』
天使:『単純に考えて見てください。あなた達は散々彼女を罵っておいて、謝罪の言葉はごめん、悪かったの2パターンだけなんですよ?これをおかしいと思わないんですか?』天使のこの言葉で、僕の心に衝撃という名の電流のようなものが流れるのを感じた。確かにそうだ。僕らは、あれだけ彼女に悪言をいった。彼女がこの一瞬で、どれだけ傷ついたかも知らずに軽々と自分のプライドを守る為だけにごめんと悪かったこの二つの言葉で謝罪を済ませた。正直僕が僕なのかはたまた人なのか一瞬わからなくなってしまった。
勇太:『じゃあ、香澄ゆっくりでいいから香澄が教室に帰ってきた時何があったか聞かせてよ。』
香澄:『わかった...』皆んなが息を飲んで香澄さんの言葉を待った。
香澄:『まず前提として、私はこの子を殺してない。それを踏まえた上で聞いて欲しい。』
勇太:『もちろんだよ。』
香澄:『私が教室から帰ってきた時。すでにこの子は、』
クラスのみんな:『.............』
香澄:『...死んでた』
香澄:『そして、なぜか飼育ゲージの中じゃなくて、教室の真ん中で死んでたの』
香澄:『私も最初信じられなくて、何かの間違いでゲージから出てきちゃったのかなーって思ったけどピクリとも動かないから...』
『そんな事が』『信じられない』クラスから色々な声が聞こえてきた。
勇太:『喋ってくれて、ありがとう。』
勇太:『あまり言いたくはないけど。正直事故だとは、思えないよね...』クラスのみんなが思ってたことを勇太が代わりに言ってくれた。
高山:『なるほどなー。香澄本当にすまなかった。
先生も少し熱くなってしまっていたらしい。どうか許してほしい』
香澄:『...は..い』香澄はこの時絶対に許すつもりは無いと言いたげな顔で返事をしていた。
高山:『一応、今回の件は、職員会議で話をしておく。もしかしたら警察も動くかもしれないから。もしそうなった時はその時に連絡をする。香澄一旦その子を渡してくれるか?』
香澄:『..はい』最後に別れの言葉を告げ香澄は、ウサギを先生に手渡した。
悪魔:『おれぁー分かっちゃったぜ。今回の"事件"の犯人がなぁ』
天使:『珍しくあなたと意見が一致しそうですね』
僕:『分かったのか?事件の犯人は誰なんだよ?(小声)』僕はこの時後悔した。何でこの質問をしてしまったのか、でもきっといずれ分かっていたのかもしれない。この事件の犯人について。
第5話 真犯人
悪魔:『おれぁー分かっちゃったぜ。今回の"事件"の犯人がなぁ』
天使:『珍しくあなたと意見が一致しそうですね』
僕『分かったのか?事件の犯人は誰なんだよ?(小声)』
悪魔:『悪魔の俺が言うのもあれだが正直聞かない方がいいと思うぜ』
天使:『えぇ、そうでしょうね。でも避けようと思っても避けられない"運命"と言うものがこの世の中には確かに存在します』この時僕は、コイツらが何をここまで、勿体ぶっているのだろうと思った。
僕:『事件の"犯人"がわかったんだろ?早く教えろよ!(小声)』
悪魔と天使がお互いに目配せをしてから俺が行くと言わんばかりの顔で悪魔が喋り出した。
悪魔:『犯人は"勇太"だ』
僕:『.......................』
この時僕が世界から置いていかれていると錯覚するぐらい空間がいやこの世の全てが止まって見えた。
僕:『いや、ありえないだろ!やっぱりお前は悪魔だな!面白くない冗談を言うものだ!』そうだ!冗談だきっと悪魔の冗談に違いないと思っていた矢先に天使が喋り出した。
天使:『冗談では無いですよ。だって彼以外にできる人もいなければやる人もいませんもの』天使は、淡々と話しを続けた。
天使:『確かに困惑するあなたの気持ちもわかります。ですが冷静に考えてみてください、、、』
これ以上は聞きたくなかった。でも天使は止めるつもりはないらしい。そりゃそうだ。
所詮コイツも天使なのである。天使は人間の味方と言う偏見が頭の中にあったがよくよく考えてみたら天使と悪魔が一緒にいて、普通に会話している少なくとも人間の味方と言いづらい。
僕の頭の整理がつく前に天使が淡々と"真実"を話し始めた。
天使:『まず事件を整理してみましょう。皆さんが体育に向かったのは、一時間目が終わった10分休み。その時はまだウサギは生きていた。そして体育が始まり教室に帰ってきていたところで、ウサギが死んでいた。』
僕:『これで何が分かるんだよ‼︎これだけだったらどこにいるかも分からない"高山"の方が怪しいじゃないか‼︎』
天使:『まぁまぁ落ち着いて聞いてください』
天使:『それに"高山先生"は、絶対にありえないです。なぜならこの時間、彼は授業をしていましたから。』
僕:『何でそんなことがわかる?』
天使:『私を何だと思っているんですか?天使ですよ?この学校の人の動きは大体把握しています。』何も言い返せなかった。このままでは、"勇太"が犯人だと認めてしまうと心の底から焦り始めた。
天使:『そしてなぜ"勇太"さんが犯人なのかについてですが、あなたなぜバスケの試合に出たか覚えてますか?』
僕はこの時嫌でも思い出してしまった。いや分かっていたが覚えてないフリを無自覚でしていただけかれない。
天使:『"勇太"さんはあなたにトイレに行きたいから試合に出てくれとお願いしていましたね。そこですよ。』なるほどな、こんなちょっとの情報だけで、決めつけたのか?と一瞬疑ったがそれ以外にまずまず教室に行ける人がいなさすぎる。
体育の時間に席を外したのは"勇太"1人よって理由がどうであれ席を外した時点で、必然的に"勇太"が犯人になるのである。確かに筋は通っている。
悪魔:『そんなにコイツが信じられないんだったら本人に直接聞いてみればいいんじゃないか?』
確かにそうだ。まだ本人に聞くまでは、犯人だと決まった分けじゃない。
僕:『確かに。聞いてみるよ』勇太のある場所へとすぐに向かった。
僕:『勇太、体育の時間本当にトイレ行ってた?』
勇太:『何言ってんだよ!当たり前だろ!』
安心した。やっぱり勇太が裏切る分けないそんな事を思っている時
クラスの男子:『確かに、そういえばお前体育の時間に体育館いなかった時間あったよな?』
この一言でクラスがザワついた。
そしてなぜだかこの時勇太は嬉しそうにしていた。
勇太:『あれー!確かにそうじゃん!』
僕:『えっ?』
勇太:『?俺が殺したけど?』
僕:『え、だってそんな分けないって、、、』
勇太:『嘘に決まってんじゃん』
僕:『.......本当に?な、何で殺したの?』
勇太:『だってさぁーみんな全然気づいてくれないんだもん!』
僕:『どう言う事?』
この会話中僕は、思考する事は無く人間としての倫理的本能で話していた。そしてウサギを殺しただけでなく。これまでの事件全ての犯人が全て "勇太"だったと言う事実を信じられなかった。
勇太:『俺さぁー小さい頃からずっとずぅーっと世界で一番目立ちたかったんだよねぇー』
勇太『その為に効率よく目立てる方法を考えて
......ウサギを殺した。
天才でしょ?』
僕:『何を言って、そんなの誰も認めてくれる分けないだろ!』
勇太:『???だって認められる必要なくない?』
勇太:『だって俺は目立てればそれで十分だもん』
その元気な声に僕は恐怖と驚きを隠せなかった。
そして今まで、自分が大切にしてきた人が
"狂人的思考の持ち主"だったことに絶望した。
その後先生が警察を呼び勇太はそのままパトカーに連れていかれた。
悪魔:『俺の予想は外れてなかったな!一番最初にあいつを見た時に言ったろ?""アイツからは何かやばい"モノ"を感じるぜぇ""てな』
天使:『確かに言ってましたね。正直アナタのそう言う直感は羨ましいです。』
僕は何も考えられなかった。ただただコイツらの言う事を聞くしかできなかった。
数日後、僕はしっかりと人間とは、なんなのかを考えてみることにした。世間一般論だとこの世の中には、色々な人間がいて、それを受け入れていこうというのが今の風潮らしい。だが少なとも今の僕にその考え方は出来無い。だからこう考える事にした。世の中"良い奴"も"悪い奴"も確かに存在する。だけど"悪い奴"が目立ちすぎるいや自分たちが目立たせすぎている。そこで、"良い事"をしている人や自分が良い事をした時それを何かに記録するのだ。ノートでもいいしスマホのメモ帳でもいい。 限度はあるがインスタやXで、投稿し"いい事"を色んな人に広めるのでも良い。世間を"良い事"の認知で、埋め尽くせば"悪い事"がどんどん目立たなくなっていきまずまず"悪い事"を考える必要が無くなるからである。
あくまで、理想論であるが僕は、この考え方を大切に生きていきたい。本気でそう思った。
あの事件から数ヶ月後新学期が始まった。
こちらは改訂版となっており原作で誤字していた場面や微妙だった場面を少し直したものとなっております。1〜5話の内容になっておりますので、少々長いですが次回は約5〜6週間後の投稿になると思いますのでそちらの方も見て欲しいです。




