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第六話:まるの友達

まるによく似た柴犬達。


「まるじゃない。こっちも、あっちも……」


飼い主が途方に暮れていると、一匹の柴犬が寄ってきた。

しっぽをフリフリ、一声鳴いた。


「わん!」

(訳:こんにちは、旅の人。今、この村では焼き芋まつりをやっているんですよ。いい匂いでしょう?とっても美味しいんですよ!自由に参加できますから、ぜひ楽しんでいってくださいね!)


そこに、村人が話しかけてきた。


「その子はうちの子なんですよ。『きなこ』っていうんです」

「かわいいですね」

「人懐っこいでしょ、村の看板娘でね」


「わん!」

(訳:そうなんです!毎年、焼き芋まつりの時はこうしてお客さんに挨拶をして回ってるんです。挨拶をすると、みなさん笑顔になってくれるのでうれしいです!)


一吠えに思いの丈を詰め込む看板娘、きなこ。


飼い主は、きなこに尋ねてみる。


「きなこちゃん。うちのまる、どこに行ったか知らないかな?」


「わん!」

(訳:まるさんですか。私にはまるという名前の友達がたくさんいます。あなたと似た臭いの柴犬なら、少し前に村に来て、一緒に焼き芋を食べました!新しい友達です!その後は、一匹で村の端の方へ行ってしまったようです)


「…わかるわけないかぁ」


飼い主は苦笑する。

きなこの言葉は、人間にはいまいち通じない。


──飼い主はまつりの中を探してまわったが、まるは見つからなかった。

一度、集合して話し合いをすることにした。


「みんなの方はどうだった?」


Aの報告。


「足跡を辿ってみたところ、長靴を履いたおばあさんに辿り着きました」

「何の足跡追ってんだよ!」


Bの報告。


「匂いを辿ろうとしましたが、焼き芋の匂いが強くて判別できませんでした」

「匂いを辿る!?お前が犬か!」


団長の報告。


「抜け毛を集めていましたが、たくさんあって袋に入りきりません」

「あんたは何やってんだよ!」


「全員、役に立たねえな!」


騎士三人はしょんぼりした。


「団長を責めないでください。犬の抜け毛を集めるのは団長のライフワークでして」

「それは勝手にしていいけど、報告してくんなよ」


「良かったですね団長。抜け毛集めてもいいって」

「ああ、ほっとした」

「たくさん集められますね」


騎士三人はうれしそうだ。

飼い主は呆れ顔。


Bが提案した。


「一休みしましょう。芋食べました?うまいっすよ」



──もらってきた焼き芋を堪能する四人。


とても甘くて、ホクホクしていて、美味しい。

疲れが癒えるようだ。


「それにしても、まるはどこに行ったんだろう」


「……!(ゴフッ)」

Aは喉に芋を詰まらせている。


「まだ探し切れていないかもしれません」

「結構探したけどなあ…」

「団長の言う通りです。この村は割と広いですし」


「…!…!(ごふぅっ)」

Aの顔が青ざめている。


「パンフレットを入手しました。見てみましょう」

「パンフとかあんの?なにこの世界」


パンフレットのマップを眺める三人。


「確かに…まだ探していないとこがある」

「村の端の方にいるかもしれませんね」


「……(ガクッ)」

Aは動かなくなった。



「…もう一度、探してみよう」


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