二人のベン〜The leakage story〜
二人の領主が、国境に広がる薄汚れた沼地を巡って争っていた。さしたる価値もない土地への執着は、互いにもはや意地の張り合いでしかなかった。
未だに騎士道が華やかなりし頃、それぞれの主君に仕える騎士、ベン・ゲーリーとベン・カーターは、両軍の代表として一騎打ちで決着をつけることになった。
まず名乗りを上げたのは、ベン・ゲーリー。戦場での俊敏な動きと華麗な剣技で知られる、美しき騎士であった。
彼は下痢に苦しんでいた。
決闘前夜に食したシチューに当たったらしい。
そして、その美しい顔は青ざめ、腹からは雷鳴のような音が絶え間なく鳴り響いていた。周囲へ聞きとがめられていないのが、せめてもの救いだった。
対するベン・カーターは、勇猛果敢で知られる騎士であった。
彼は、便秘に悩まされていた。
その腹は岩のように固く、毎朝、玉座よりも堅牢な便座の上で、苦悶の表情を浮かべていたのだ。
そして、運命の時が訪れた。晴れ渡る空の下、両軍の兵士たちが見守る中、二人のベンはそれぞれの主君の名誉を背負い、広場の中央で対峙した。
ベン・ゲーリーは、流麗な装飾が施された鎧を纏い、細身の剣を優雅に構えていた。しかし、その兜の下の顔は、下痢の恐怖に引きつっていた。
ベン・カーターは、重厚な金属鎧に身を包み、巨大な剣を携えていた。その兜の下の顔は、便秘の苦痛に歪んでいた。
決闘開始の合図が鳴り響く。二人の騎士は、それぞれの苦悩を抱えながら、暫し睨み合った。
先に動いたのは、ゲーリーだった。細身の剣を構え、素早い踏み込みから鋭い突きを繰り出す。しかし、その攻めは精彩を欠き、いつもの切れ味が見られない。実はこの時、ゲーリーの腹に、大きな便意の波が押し寄せてきていたのだ。長引けば不利になると焦り、彼は、やや性急に過ぎる攻撃を仕掛けてしまったのである。その様子を、彼をよく知る者たちは訝しんだ。
カーターは、その攻撃を重厚な鎧で受け止め、巧みな防御でしのいでいく。彼は、焦らずに相手の疲れを待つ戦法を選んだようだ。
焦れたゲーリーは、「臆病者!」とカーターを罵る。傍目にも、彼の焦りがうかがえる稚拙な挑発だった。しかし、この挑発が、カーターの心に火をつけた。
実は、カーターは、今朝方、便意を感じていた。もしかしたら、今日は便秘に打ち勝てるかもしれない、そんな予感があった。しかし、玉座よりも堅牢な便座の上で踏ん張るも、思ったより太く硬い物が出てきそうで、切れ痔を恐れて、やむなく引っ込めていたのだ。
カーターの、誰にも明かせぬ内心の葛藤を、ゲーリーは、図らずも抉ってしまったのだ。
「黙れ!」
カーターは、怒号とともに大剣を振りかぶり、攻めに転じた。
金属のぶつかり合う音が、静寂に包まれた広場に響き渡る。カーターは、力任せに大剣を振り回し、ゲーリーを圧倒しようとする。しかし、腹部の不快感と便意に耐えながらの戦いは、彼本来の力を発揮することを許さない。一方、ゲーリーは、華麗な剣技でカーターの攻撃を巧みに躱し、反撃の機会を窺っていた。しかし、腹部に走る激痛と、いつ決壊するかわからない下痢への恐怖が、彼の動きを鈍らせていた。
激しい攻防が続く。二人の騎士は、それぞれの苦痛に顔を歪めながらも、主君の名誉のために必死に戦っていた。やがて、激しい打ち合いの末、カーターの鎧はところどころへこみ、ゲーリーの鎧は深い亀裂が走っていた。
そして、その時だった。一陣の突風が吹き抜け、広場に砂塵が舞い上がった。その風は、ゲーリーの鎧の中へ流れ込み、汗ばんだ彼の腹を容赦なく刺激した。下腹部に走る激痛。それは、もはや耐え難い領域へと突入していた。
「くっ……!」
ゲーリーは、苦悶の声を上げ、思わず剣を取り落としそうになった。その隙を見逃すはずもなく、カーターは渾身の力を込めて大剣を振り下ろそうとした。しかし、その時、彼の腹にも激痛が走った。長年の便秘が、ここにきて限界を迎えようとしていたのだ。
窮地に追い込まれたゲーリーは、苦し紛れに右足を高く振り上げ、カーターの腹部を蹴り飛ばした。その蹴りは、便秘に苦しむ彼の腹部に強烈な衝撃を与えた。
「ぐあああぁぁ……!」
カーターは、大剣を手放し、その場に崩れ落ちた。その衝撃は、彼の堅牢な砦となっていた腸を、決壊させてしまったのだ。
ゲーリーもまた、自らの蹴りの反動と、腹部の激痛により、地面に倒れ込んだ。そして、彼の下痢もまた、ついにその時を迎えた。
ピュルルッ! ビチビチビチッ! ブリュリュリュ……!
ボフッ! ……ブリブリブリッ!
広場は、一瞬の静寂に包まれた。そして、その静寂を破ったのは、両軍の兵士たちの、嘲笑と失笑の入り混じった哄笑だった。
もはや、名誉も何もあったものではない。しかし、この滑稽な決闘にも、勝者は明確だった。
カーターは、鎧の中を汚しながらも、その顔には満面の笑みを浮かべていた。長年の便秘の苦しみから、ついに解放されたのだ。一方、ゲーリーは、鎧の中を汚し、さらに便意に屈した屈辱に、その顔を歪ませていた。
この決闘の結果、問題となっていた二つの領地の境目にある薄汚れた沼地は、ゲーリーの側に譲られることとなった。もちろん、これはカーター側からの痛烈な嫌味である。
この顛末は、近隣の領地にも広まった。その滑稽で哀れな一騎打ちを、吟遊詩人たちはまずこう歌う。
「騎士ベン・ゲーリー、騎士ベン・カーターの栄誉求めし戦い、カツヤクをお聞きあれ――」と。
しかし、物語はここで終わらない。
数年後、かつては悪臭漂うだけの沼地だったその場所に、いつからか美しい蓮の花が咲き乱れるようになったのだ。
そして、ゲーリー側の領地から、カーター側の領地へ、大量の蓮根が届けられた。添えられた書状には、こう記されていた。
「お通じに良いと聞きます。ぜひ、お試しください」
かつての決闘を思い起こさせる、皮肉たっぷりの贈り物であった。しかし、その蓮根はカーターの悩みを、静かに、そして確実に解消していくことになるのだった。
こうして、ある意味伝説の決闘「二人のベン」は、騎士道史上最も不名誉な、そして最も人間臭い結末を迎え、さらには、人々の記憶に残る後日談へと繋がった。それは、便秘と下痢の苦しみ、そして人間の滑稽さと、意外な優しさを、後世に語り継ぐ物語となったのである。
おしまい
この作品は、以下のプロットを元に「gemini 2.0 experimental advanced」にて生成した文章へ追記、修正を行い制作しました。
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以下のあらすじで、小説を書いてほしい。
タイトル「二人のベン」
ある二人の騎士が、それぞれの主君の名誉をかけて決闘することになった。
一人はベン・カーター、便秘に悩んでいた。
もう一人はベン・ゲーリー、食あたりによる下痢が止まず苦しんでいた。
決闘を迎えたその時も、二人はめいめいの苦しみにお腹を抱えたいのを耐えていた。
立派な金属鎧に身を包み、剣を交わす二人。やがてそれぞれの鎧が破壊される。そして一陣の風が吹く。ベン・ゲーリーは、汗冷えのするインナーのために下痢を漏らしそうになり、力が入らず追い詰められる。
苦し紛れにベン・ゲーリーの放った蹴りが、ベン・カーターの腹部を強かに打った。もつれ込み倒れ伏す二人。二人が大便を漏らしたのは同時だった。もはや名誉も何もあったものじゃない決闘。しかし、勝者は明らかだった。ベン・カーターは苦しみから解放された喜びに微笑み、ベン・ゲーリーは便意をこらえきれなかった屈辱に歪んでいたのだから……。
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