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王様の憂鬱  作者: MEI
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終幕 対決

城内は物々しい雰囲気に包まれていた。王の心は、長年の苦悩と怒りが、ついに爆発寸前になっていた。


「国王陛下!」

「どうした?!」

「ついに、勇者ハロルドが魔王の城に到着いたしました!」

「なんじゃと?!」


王は、勇者の意外な成長に驚きながらも、彼にすべてを任せることはできないと決意した。


「今、門番のドラゴンと戦っているようです!」

「大臣!」

「まさに好機かと!」

「皆の者!支度をせい!」


王は謁見の間を後にしようとした。


「陛下!どちらへ?!」

「教会じゃ、教会。お前たちは戦の支度を進めておけ!すぐ戻る。」


王は、最後の戦いに向かう前に、自分自身の魂を清めるために教会へ向かった。


城下町の軍港に、無数の軍船が集結している。その軍船に乗る兵士たちの目は、王の苦悩を間近で見てきたからこそ、燃え盛る闘志に満ちていた。


「陛下!我らが城の対岸に築城した魔王に、目に物を見せてやりましょう!」

「うむ!」


兵士たちの前に立つ王の手には、伝説の聖剣が握られていた。それは、王が長年、国民の平和のために、質素な生活と国政に尽力してきた証だった。


王は剣を天に掲げ、兵士たちを鼓舞する。


「聞け!我が国に集いし兵どもよ!時は来た!我らはこの瞬間のために、鍛錬を続け、質素に徹し続けてきたのだ!今こそ、魔王にその怒りをぶつけるのだ!すべては祖国の為に!」


軍船に集いし兵士、その数は二万を超えていた。


「ファイエル!」


王の掛け声とともに、魔法兵団から放たれた無数の魔法が魔物たちを飲み込み、魔王の城に甚大な被害を与えていく。


「魔王よ、出てくるがいい!決戦の時ぞ!」


「こしゃくな人間どもが!我が城に傷をつけおって!許さんぞ!」


魔王が姿を現す。


「お前が魔王か!我らはこの時のため、さんざん辛酸を嘗め続けてきたのだ!貴様を倒し、我が国の平和を取り戻す!」


王は魔王に切りかかった。その手に握る聖剣にすべてを託して。


そして…


「晩飯の恨みスラッシュ!」


魔王への個人的な恨みは、国民の平和を守るという強い意志に変わっていた。


「ぐは!ここまでとは!」


「まだじゃ!ここで終わらせてやる!」


怒りが頂点に達した王の聖剣が、魔王に迫る。だが、その時、聖剣が折れた。


「なんだと?!」

「馬鹿め!聖剣がお前の力に耐えきれなかったようだな!武器無しでこの私に勝てるかな?!」


王は折れた聖剣を捨てた。


「本当の聖剣はここにある!くらえ!国民の血税パンチ!」


国民の血税で築かれた国の力と、王の強い思いが、魔王を打ち砕いた。


「ぐあぁ!」


魔王は散った。魔王の軍団は王を失い、逃げ始めた。


「皆の者!魔王は倒したぞ!後は掃討戦じゃ!かかれ!」


こうして、この国には再び平和が訪れた…

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