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先に生まれただけなのに 【枕返し】



「フガッ!」




「っで、君は何をやっているのかな?」

「見て分からなかったすか」


「いんや、分かったよ。でも、だからこそ聞いているんだ……何をやっているのか。何がしたかったのかをね」

「はぁ、これだから頭のお堅い先生は――」


背の小さな双子の片割れである女の子は、下っ端のような口調とは裏腹に。やれやれと尊大な態度で肩を竦めながら、空気よりも軽い口を開く。


「――何がって、先生が気持ち良さそうに眠ってたから枕をひっくり返したんっすよ」

「お前は日本の妖怪か!」


「いや、違いまけど?」

「知ってるよ!――待て。というか何で……どうやって施錠された宿直室に侵入したんだ!それに君達はこの時間、労働の義務がある筈だろうに、何でここに居る!」


「寝起きから叫ぶと体に障るっすよ?」

「元凶の、お前が、どの口で」


「喉乾いたんで何か飲み物貰ってもいいっすか?」

「自由人か、お前は……。こんな真夜中に無理やり起こしたんだから、せめて僕の話くらいは聞いてくれよ……」




「っで、なんすかこれ?」

「レトルトで悪いな、流石にこんな時間から買い出しや料理するのは面倒でな」


「いや、レトルトだから文句言ってる訳じゃねえっすよ。飲み物を頼んだのにカレーが出てきたことにクレーム入れてるんすよ」

「ん?あぁ、最近習ったんだ。マナーのなっていないお客様にはカレーを出して、早々にお引き取り願おうってな」


「誰っすか、先生にそんな京都のブブ漬けみたいな事を教えた奴は!」

「それで――飲むか!帰るか!」


「な、なんすか、そのパワハラ上司のアルハラ発言みたいな台詞は……はぁ、パンとスプーンを下さい」

「え!食べるの?」


「何なんすか、この人は!」



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