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もう一度妻をおとすレシピ 第11冊  作者: 奄美剣星(狼皮のスイーツマン)
読書感想文
6/100

読書/『世界魔法大全』全4巻

 1983年に第1巻を刊行した全4巻からなる『世界魔法大全』シリーズだが、現在は『世界魔法大全』というシリーズ名を外し、個別に復刻され、kindle版も出ている。さて、個人的な興味だが、2a巻において、すべての芸術は無意識からなる魔法儀式であり、舞台、とくに舞踊はその典型と述べられている。20220216現在、北京オリンピックが開催されているのだが、フィギア男子・羽生結弦がミスがあって4位入賞だった。前回・金メダルをとったこの人が完璧に演技をこなしたとき、まさに天使が降臨したかのように、魅了されるのはそういうことなのだろうか。


01

『黄金の夜明け』世界魔法大全1 

江口之隆・亀井勝行著


第一部・歴史篇と第二部・実技篇で構成される。第一部が江口、第二部が亀井の執筆である。第一部歴史篇では、英国において魔術サークル(秘密結社)「黄金の夜明け団」の成立と崩壊。派生結社の分立を述べている。第二部において、ヘブライ系の降神術・カバラの概念。具体的な技法を述べている。個人的に興味深かったのは、チェス、タロット、双六を組み合わせた四人の術者で行う盤上ゲームによる降神術だ。「コックリさん」にちょっと似ている。376頁。


ノート20220215


02a

『魔術――理論と実践 上』世界魔法大全2a

アレイスター・クローリー著・島弘之訳


 最近、漫画やラノベでよく聞く「術式」というものの概念が示されている。

本書では、術式をやや掘り下げて説明している。

 著者は、混沌する悪鬼系精霊の存在を認めるのだが、神に対抗するような秩序・体制をもつ「悪魔」というものを否定する。「悪魔」は、「教会」のような体制の司祭が、人を脅すために用いる架空の存在。もし、秩序・体制をもった「悪魔」のような存在があるとすれば、それは邪悪なものではなく、新たな「神」だとする。

 黒魔術の術者は、制御しがたかったり、悪意をもっていたり、術者の機嫌をとるために嘘をつく精霊を呼び出してしまう。

 白魔術は、守護天使に相当する精霊を呼び出す方法論だ。武器として用いる魔術は、杖、剣、盃ほかの術式がある。そのなかでも最も効果的なのは杖である。

剣は祓う術式。盃は、武器と言うよりも精霊召喚を目的とし、正規には、盃を満たす量の血液を要する。血液の代用は香であるのだが、取扱は難しい。

 本書には錬金術のほかに占いの術が示してある。著者は、錬金術師について、よく言っていない。占いについては、占星術、土占術、タロット、易経の例を述べている。

 その他、悪霊を払うという目的で、音というものに着目している。その中で、日本の神道が紹介されており、四拍をもって悪霊を払うという所作が示されているところが興味深い。284頁。


ノート20220215


02b

『魔術――理論と実践 下』世界魔法大全2b

アレイスター・クローリー著 島弘之・植松靖夫・江口之隆共訳


『理論と実践 下』は、上巻の附録 という形で、ⅠからⅦまでを収めている。魔法呪文(術式)詠唱方法、五芳星・六芳星書き順の違いによる魔法効果の違いといった、具体的な魔法の所作を述べているので、『魔法大全』シリーズでは最も重要なテキストになろう。

 下記に示す目次・附録Ⅰにおいては、一般書で『易経』『不思議の国のアリス』などもあり面白い。附録Ⅱの冒頭「視界一星座」という詩がきて、各魔法秘密結社名および各階級説明が記される。附録Ⅲ題名の次に、「〈星幽界〉に関する注記」と但し書きがある。魔術の世界観を述べている。附録Ⅳは魔術師メイジアブラメリンの聖なる魔術の操作を執行する学期の間に、野獣666が聖守護天使の知識と交渉を成就するために用いた儀礼である。以下呪文と儀礼手順。以下省略。解説では著者略歴が記され、1875年出生、98年「黄金の夜明け団」入団、1902年K2登山、47年死去とある。男性だ。300頁。


目次

附録Ⅰ A∴Aのカリキュラム

附録Ⅱ 視界の一星座

附録Ⅲ 

附録Ⅳ サメクの書

要点Ⅰ~Ⅲ

附録Ⅴ(※当該翻訳書籍では削除されている)

附録Ⅵ 主要儀式群

スター・ルビー、スター・サファイア、不死鳥のミサ、ヴェル・レグリ、OTA

附録Ⅶ A∴A∴後任の教示要項二、三

 HHHの書、Eもしくは修業者の書、Oの書もしくは手と矢の書、アスタルテの書、イォドの書、ブドゥシスの書もしくはジスハルブの書、RVの書、イォドの書、ブドゥシスの書もしくはジスハルブの書、Bの書もしくは魔術師の書、レシュもしくは太陽の書、第三の書もしくは掟の書、アアシの書もしくは磨羯宮の精の書、Aの書もしくはあるモラルの書

解説


ノート20220216


03

『柘榴の園』世界魔法大全3 

イスラエル・リガティー著 片山章久訳




文書冒頭から後半まで、カバラの概説、「生命の樹」「五芒星」といった概念図を交えた用語解説で構成されている。書籍の終わりで、著者が提唱する、いわゆる詠唱術式「魔術の技法」が付録として付く。カバラの奥儀。245頁


ブグログ紹介記事

「ユダヤ3000年の秘法"カバラ"の奥義を本邦初公開!タロット・カードの象徴とその占星術的秘密を明かす現代の秘伝書。霊的天才イスラエル・リガルディーが語りつくすカバラの真義は多くの魔法結社が永らく口伝としてきたものである。生命の樹の神秘に始まり、32本の真理に至る径、22のヘブライ文字の秘密までを公開。リガルディーの多面的全貌をここに示した本書はまさに隠秘学研究の方向を決定した必読の書である。クロウリー・カルトの手引書としても最良の書。」


ノート20211016


04

『心霊的自己防衛』 世界魔法大全4 

ダイアン・フォーチュン著 大島有子翻訳 


 心霊的攻撃の手段は念話と暗示だ。黒魔術師は精霊を操って標的人物を襲わせる。著書は、心霊的攻撃の種類、鑑別診断、心霊的攻撃の診断、心霊的攻撃に対する防衛法の四部構成で巻末に付録がつく。

 精霊がどんな方法で襲ってくるか。それに対する防御方法。つまるところは「霊障」に対抗する「悪魔祓い」といったところか。 著者は女性で、20世紀最高権威のオカルト研究者である。244頁


ノート20211016

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