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もう一度妻をおとすレシピ 第11冊  作者: 奄美剣星(狼皮のスイーツマン)
読書感想文
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28/100

読書/コナン・ドイル 著 『臨時急行列車の紛失』

*『消えた臨時列車』

 仏人ルイ・カラタルがリヴァプール中央駅の駅長に、「パリに向かうのにロンドン行きの急行に乗り損なったので、臨時列車を手配してほしい」と頼み込む。直後、軍人らしいムーアという男が、「ロンドンにいる妻の容態が悪化したので、カラタル臨時列車に乗りたいと申し出るが、カラタルは拒否した。列車はカラタルとその同伴者ゴメスだけを乗せて、次の停車駅・マンチェスター駅へ向けて出発する。

 2時間後、リヴァプール中央駅に、マンチェスター駅からの臨時列車が入線して来ないという連絡が入った。駅長以下駅員たちは、途中の駅まで臨時列車の通過記録があるうえに、レールに脱線の痕跡がないと、路線整備員の報告を受ける。そして、臨時列車が最後に確認された駅と次の駅との間にある藪で、臨時列車機関士ジョン・スレイターの遺体を発見したという連絡が入る。

 臨時列車が消えたのはなぜか、鉄道会社が内定したところ、機関士の遺体が発見された区間には、製鉄所や炭鉱が点在し、そこへ向かう引き込み線がいくつかあるが、列車列車が消えた事件当日、それを引き込める状況にないことが判明。その代わり、線路に繋がれていない旧引き込み線がいくつか存在していたことが判明した。

 翌月、臨時列車の車掌であるジェームズ・マクファースンから、ニューヨークから妻あてに手紙が送られてきた。封書にはニューヨークへの渡航代が同封されており、妻と妹を呼び寄せる文面だった。2人は手紙の通りニューヨークに向かうが、車掌は、待ち合わせ場所のホテルに現れなかった。

事件から8年後、仏国の死刑囚エルベール・ド・レルナックの手記が新聞に掲載されて話題となっていた。この男は、当時パリで起きていたスキャンダル裁判に出席できないよう、カラタルの暗殺を依頼されていた。――レルナックは、英国人の協力者を見つけ計画を練らせた上で、車掌マクファースンと機関車火夫のスミスを買収。英国人ヒットマンはムーアと名乗って妻の重病を理由にターゲットのカラタルが発注した臨時列車への同乗を希望するが、カラタルは用心棒まで付けて警戒しており、ターゲットを車内で射殺するという当初の第一の計画は失敗する。

 だが買収した車掌マクファースンの手引で、英国人ヒットマンは、列車に潜り込むめたので、第二の計画に移行する。暗殺者グループは、旧引き込み線にレールを継ぎ足し、カラタルを乗せた臨時列車を廃炭鉱に引き込ことにした。この計画では、火夫のスミスがスレイターにクロロホルムを嗅がせ、カラタルたちと一緒に消すつもりであった。だが、2人は揉み合いとなり、スレイターは機関車から落ちて死亡する。

 現場で待ち構えていた暗殺団首領のレルナックは、旧引き込み線に臨時列車を引き込み、全速力で廃炭鉱坑道へ突っ込ませる。カルナックの用心棒ゴメスは書類鞄を放り投げ、スキャンダルに関する資料と引き換えに命乞いをしたが、列車は既に制御不能で、そのままカラタルたちは列車ごと廃炭鉱に落ちて行った。

 車掌マクファースンと火夫スミスといった英国人協力者は、臨時列車が廃炭鉱坑道に転落する直前に、飛び降りて脱出していたが、米国へ逃亡した元車掌が妻に宛の手紙を書いたため、殺されたようだとほのめかす内容で、手記が終わる。

 ――列車をモチーフにした犯罪小説というと、ゾラの『獣人』が思いあたる。内容はまったく異なるが、――もし鉄道員が犯罪者だったら? というモチーフと、壮絶な列車事故を匂わせるラストシーンは共通するところだ。オマージュというほどではないが、ドイルは『獣人』に着想を得たのだと考えられる。

          ノート202211117

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