読書/コナン・ドイル 著 シャーロック・ホームズ 『株式仲買人』(短編)
結婚したワトソン博士は新居を買ってはしゃいでいた。そこにホームズが訪ねてきて、事件の捜査に協力して欲しいと言ってきた。ワトソンは了承し、バーミンガム行きの汽車に乗る。車中にはポール・パイクロフトという失業中の株式仲買人がおり、新たな雇い主に不審な点があるから調査して欲しいと依頼してきた。依頼者パイクロフトはバーミンガムに着くまでの間、ワトソンに依頼に至る経緯をワトソンに話して聞かせた。
依頼者は、証券会社の店員募集広告に応募して、代理人だという人物に会い、弟がやっている会社に好条件で雇ってやるよう紹介しておくと言われ、前金100ポンドを受け取った。
ところが、代理人の弟がやっているという証券会社があるというテナントビルに行ってみると、玄関に表札がなく、内部には家具の一つもない。そこに店員は社長であるという弟だけがいた。依頼人が弟と話しをしていると、実に調子がよく、言い訳をするように、これからフランスの代理店百数十店舗に、商品を卸すのだが、君は重役として采配して欲しいと言って笑った。その際、依頼人は、社長の口に詰め物があるのを見逃さなかった。兄だという人物と同一人物ではないのかという疑念が湧く。相手の挙動は不審ではあるが、好条件の就職先だし100ポンドも貰っている。就職に足るか決断を下す前に、ホームズに判断を仰ぎたく、依頼しにロンドンに来たのだと言った。
依頼者パイクロフトの話しを聞いたホームズは推理した。代理人である兄と証券会社社長である弟とはおっしゃるように同一人物だ。依頼者に、通常は面接の時点で書かせない誓約書を、あえて書かせたことは、パイクソフトの筆跡を真似るためだと看破した。
依頼者は、ホームズとワトソンを倒産した同じ会社の元同僚ということにして、問題の社長に会わせるのだが、動揺していた。またまた調子のいいことを言って、追い返そうとする。ホームズが食い下がって、筋が通らない、もう少し話を聞きたいと詰め寄ると、社長は奥の部屋に行って自殺を図った。
ホームズは手にしていた新聞に、ロンドンの最大手証券会社に、最近、バーミンガムの名前で採用された店員がおり、忘れ物を取りに来たと言って、金庫番をしていた警備員を撲殺、高価な有価証券を奪って逃走したのだが、警察に逮捕された。つまり強盗実行犯が、依頼人の雇い人「代理人・兄=社長・弟」の本当の弟だと説明した。
パイクソフトになりすまし捕まった実行犯の弟は死刑になるだろう。絶望し自殺を図った一味の兄を、ワトソンが蘇生、依頼者を警察にやって物語は終わる。
ノート20211020




