21/23
ウル編
「この木の枝ぶりは、昼寝に良さそうだ」
ウルは弓を置き、静かに背を預けた。
そよ風と木の葉の囁きに促され、そっと目を閉じる──。
「…………」
ヴェルトはもたれ掛かる狩猟の神を起こさないよう、集まる小動物や鳥たちを、苔むした腕にとまらせた。木漏れ日が二人を包む。
今日も、森は平和だ。
○+●+○+●+○+●+○+●+○+●+○+●+○+●
【ウル】
北欧神話の狩猟とスキーの神。トールの義理の子。
森に生きる、百発百中の凄腕狩人であるが、木の上での昼寝が趣味という穏やかな一面もある。
ヴェルトは、木と一体化した岩の巨人。